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2013.12.19
「素材を知りつくした手」をもつ「現代の名工」をご紹介!

「現代の名工」とは、ものづくりの卓越した技能者を表彰するもの。毎年全国の150名ほどの技能者に授与されています。

今年度はマツダから自動車部品の鋳造作業に長年たずさわってきた西原弘光(にしはらひろみつ)さんが表彰されました。今日は、西原さんの話を通し、マツダのモノ造りに対するこだわりをお伝えしていきます。

まず始めにみなさん、鋳造(ちゅうぞう)ってご存知ですか?

鋳造とは、型を取る鋳型(いがた)を準備し、溶かした鉄をそこに流し込んで形づくる工程をさします。造形の自由がきくため、複雑な足回りの自動車部品などにむいています。マツダで使う鋳型は砂からできていて、西原さんは砂を固めて型をつくるところから、全ての工程で卓越した技能を持っているんです。

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「もともとは工場の保全係に配属予定でした」と、西原さん。

工業高校の出身で専攻は電気科。配属が決まる前に工場見学をし、いまの職場に出会いました。
熱い鉄を型に溶かしいれ製品を仕上げていく熟練者の姿を見て、「これぞ、ものづくり!」と、強い感銘を受けました。早速希望を変えて、配属された素材部では、「暑くて重労働な職場のため」10人配属されて残ったのは3人。現場に今でも関わるのは西原さん1人です。

この写真にうつっているのは、鋳型の原料となる砂山。

 

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おもむろに砂をひと握りすると「9.4%かな」。

これは砂に含まれる水分量のこと。そのパーセンテージは季節や天候によってずいぶん変わってくるといいます。いかにその変化を見極めて、鋳型を一定の硬さにもっていくかが大切で、まさに腕の見せどころ。

測定器では作業を区切って測りますが、西原さんは作業の流れをとめずに手の感触だけで判断します。そのため、絶えず変わる水分量を測定器よりも正確に把握し、さらには変化の原因まで瞬時にわかるそうです。

「神の手」ならぬ「名工の手」を持つ西原さんですが、熟練の先輩たちにくらべれば、「自分はまだはなたれ小僧」だといいます。

 

そんな西原さんが、いま力を入れていることは、卓越技能を伝承するための人材育成。
最近は自動化が進み、手作業の工程も少なくなりましたが、素材の性質を体得するためにも、自らの手で砂を形づくる技能はとても大事だと西原さんは考えています。

社内や国家技能検定者の指導にも貢献し、結果として300名近くの技能者を育てあげました。そのベースには「最後は人の手」という西原さんの強い信念があります。

 

右下の写真は、ヘラで砂の造形をしているところ。実際に技能検定で使うそうです。さくさくっと、あっという間に端正なラインが生まれました!

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鋳造一筋の西原さん。この39年を振り返って「悔いはない」といいます。

「尊敬する上司や同僚に支えられた」という言葉のあとに出てきたのは、奥さまの名前でした。鋳造の独特なにおいと砂をまとった作業服を毎日黙って洗濯してくれたそうです。奥さまをいたわる口調から、西原さんの愛妻家ぶりもうかがえました。趣味は「女房と毎週末、銭湯めぐりをすること、一緒に公園を散歩することでしょうか」。

最後に、名工の手を撮影させてもらおうと「利き手は?」と聞いたら、「両方です」と笑顔で手をひろげた西原さんでした。

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そして、もう一つ嬉しいお知らせがあります!

「現代の名工」の先輩である本社工場の永田芳廣(ながたよしひろ)さんが、秋の黄綬褒章を受章しました!(23年度「現代の名工」)これは、「その道一筋に業務に精励し衆民の模範であった人」に対し国から授与される褒章で、毎年文化の日に、宮中において天皇陛下から親授されます。

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受章対象は「トランスミッション組立」業務。このカテゴリでの受章は日本初となります。

永田さんは、トランスミッションやエンジン組立一筋に40年間、高い技能を標準化し「誰でも組み立てられる」ラインづくりに取り組んできました。時には日本を飛び出して海外工場の立ち上げにたずさわることも。

最近は人材育成にも力をつくし「手先のわざ『技能』だけではなく、完成形をイメージできる『技脳(ぎのう)』が大事」と、日々指導にあたっています。グローバル化の進む中、これからは、海外への技能伝承にも取り組んでいきたいと、意気込みを語ってくれました。

 

公式ブログでは、マツダの「匠の技」についてご紹介していますので、こちらもチェック^^V

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