MAZDA公式ブログ
2014.10.2
穏やかな表情から一変、プロフェッショナルの顔へ。 「技能五輪」自動車板金・花木コーチ、「金メダル」への飽くなき挑戦。

マツダは「技能五輪」に積極的に取り組んでいます。

技能五輪とは?
それは、次代を担う若年者の職業訓練の振興と技能水準の向上などを目的とした、文字通り「技能のオリンピック」!マツダは1963年の第1回全国大会から出場。以来、若手選抜技能者を対象とした「技能五輪教育訓練」を社内で行うなど、技能五輪競技大会の出場選手養成および、技能者としての個々の成長を図っています。

今回は、今年11月に予定されている「技能五輪」全国大会に向けて、2人の選手育成に打ち込む「自動車板金」職種のコーチ花木達彦さんの素顔、そして今とこれからに迫ります。

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一枚の鋼板から形成される美しい曲面

「技能五輪」全国大会。全41競技のひとつ「自動車板金」は、一枚の鋼板からハンマリングなどで美しい曲面や複雑な形状などに成形し、知と技を競い合う競技。

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このような複雑な表情や、なめらかで美しい曲線をつくりあげていく「自動車板金」。
花木コーチは、かつて選手として三度の全国大会に出場している。

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最高位は銅メダル。その悔しさがコーチの道へ。

花木さんは2008年にマツダに入社。2009年~2011年、技能五輪選抜選手として日々訓練を重ね自動車板金職種の選手として毎年全国大会に出場した。選手として出場できるのは22歳までとそのチャンスは限られる。花木さんの選手としての最高位は2011年の銅メダル。

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選手として優勝できなかった悔しさの後、しばらくたって気づいた想い。「ミスを引きずるのではなく、どうして何とかカバーしようと、プラスに考えなかったのか。」・・・そんな想いがコーチへの道に自らを駆り立てた。
そして上司に申し出た。「今度はコーチをやらせて下さい!」

 

うれしさと同時に悔しさが混じる、不思議な感覚。

2012年、コーチとして初めて選手を育成し、その選手が銀メダルを取ったときを花木さんはこう振り返る。
「正直、自分の成績を超えたうれしさと同時に金メダルを取らせることができなかった悔しさが混ざる不思議な心境だった。」「指導者としての覚悟が足りなかった。選手時代の気分が抜けていなかったのかもしれない。」

2013年、新入社員導入教育に関わり、選手候補を自らの目で見極めるチャンスに恵まれた。「自動車板金を全く知らない人にわかりやすく伝えるにはもっと知識をつけていかないと」と痛感。

 

「選手からコーチへ」

そして2014年、2人の選手たちを指導する花木さんは、真っ直ぐな眼差しでこう語る。
「2名の選手それぞれの性格や強み/弱みを把握した上で指導の仕方を変えています。一人は、優しくて穏やかな性格なのでここ一番というところでフォローを入念に。もう一人は、負けず嫌いな性格が持ち味なのでポイントが抜けないように気を配っている」とのこと。
11月の全国大会の競技課題を前に、2人の選手たちを指導する花木さんの姿はすっかりコーチそのもの。

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「やってみたら分かるよ」

花木さんには、尊敬する一人の先輩コーチがいる。自動車板金のもう一人のコーチ、馬塲敏和さん。

「馬塲さんはコーチ歴6年のベテラン。とにかく上手だし、馬塲さんに「うまい!」と褒めてもらえると本当にうれしく頑張れた。ものづくりの楽しさや綺麗な作品を造る醍醐味を教えてくれた人。」花木さんは今でも、コーチとして馬塲さんに相談することがある。
決まって返ってくるのは「やってみたら分かるよ」。そういうとき、花木コーチは「もっと成長したいと思うんです。」

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「教えようとしない」「自分で気付き、自分で学ぶ」

そんな先輩の姿を見ながら、自分らしいコーチのスタイルとは?「教えようとすると僕は気張ってしまうことを1年目で知った。むしろ選手と同じ課題を共有しライバル意識をもたせるのが僕のスタイル。」と胸をはる。
ときには訓練中にわざと失敗してみせ、選手自身にはっと気づかせたり現状レベルを確認させるなど、学びのきっかけを作るという。

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「やってみせて、やらせてみて、できたらほめる」

今年の全国大会まであと2ヶ月。競技の課題が発表されると、花木さんはまず自分でその課題を造ってみる。
「まずやってみせて、選手に完成度の差を見せる。そうすると、選手も同じようにやろう!と向上心をもって頑張れる。そしてやらせてみて、できたらほめる。」

やってみせる花木さん。ハンマーを握った瞬間その表情は“優しいお兄さん”からプロの顔に一変した。

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「時には、振り返ることも。」

長い訓練をしていると、選手にはどうしても伸び悩む時期がくる。そんなときの為に、日々、行ったことを記すノートがある。それが「生活ノート」。選手とコーチが1冊のノートを共有し、悩んだときには、振り返る。そして、また明日からの訓練に備える。あの時、何をやったから前進できたのか、どんな気持ちで取り組んでいたのか。休日の楽しい出来事なんかも書かれている。選手とコーチの大切なコミュニケーションツール、それが生活ノート。

そして、近年では、座禅による精神鍛錬にも挑戦している。どんな時でも平常心で臨める精神力。頂上へは、技(わざ)だけでは辿り着けないことを花木コーチは選手時代を通じて体感しているのだ。

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「夢は、こだわりをもったクルマをつくること。」

そんな花木コーチ、今年の全国大会で選手たちに願っていることは?「いつも以上のことはしない」。競技中、頼れるのは自分だけ。どんなトラブルがあっても最終的には自分で対処しなければならないことを選手経験から痛感しているのだ。「選手たちにはどうしてもメダルを持って帰ってほしい。挑戦してほしい。そのために厳しく指導しながら自分も選手に入り込んでいきたいと思っている」。そして「競技中のピンチにも、プラス志向で諦めない、粘り強い選手になってほしい」。心からそう願っている。

そんな花木コーチに将来の夢は?と聞いてみた。一点をじーっと見つめ出てきた言葉は・・・「こだわりをもったクルマをつくることです」。

選手からコーチへ。心技体を鍛え日本一へ挑戦し続けることで、その“道“を極める楽しさや歓びがわかってきた。この経験を活かし、クルマ造りに対しても、『これでいい』ではなく、『これがいい!!』とこだわりを持ち続けたいと願っている。そして2人の選手たちと共に11月の全国大会へ。花木コーチの挑戦は続く。

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花木コーチの今とこれから。いかがでしたか?
今年の技能五輪全国大会は、11月28日~12月1日の4日間、愛知県で行われます。

是非、ご声援をよろしくお願いします^^

 

◆第52回技能五輪全国大会:中央職業能力開発協会(JAVADA)
http://www.javada.or.jp/jigyou/gino/zenkoku/index.html

◆マツダ 採用情報ウェブサイト
http://www.mazda.com/jp/about/recruit/

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