MAZDA BLOG
2016.2.25

【デイトナ24時間レース】マツダUSA公式チーム、プロトタイプ2台で参戦しました。

1月30日・31日にアメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイにて、アメリカ最高峰の耐久レース「ROLEXデイトナ24時間レース」が開催。マツダUSAの公式チームであるマツダ・モータースポーツから2台のマツダ・プロトタイプが出場しました。

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結果は、2台ともメカニカルトラブルによってリタイヤとなってしまいましたが、みなさまに熱い声援をいただきました。本当にありがとうございました。

デイトナ24時間レースは、今年で第54回を数える伝統の耐久レースで、毎年1月末または2月上旬に開催されています。

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最大傾斜角31度のバンクをもつオーバルトラックとツイスティなインフィールドのコースを組み合わせた5.7km複合コースは超高速であり、さらに時速300km/hからのフルブレーキが2か所あるため、シャシーへの負担も強大と言われています。加えて、海岸近くにあるため、風が吹くと砂が飛来し、路面が滑りやすくなるというタフなレースウェイとして知られています。20160225_01c

マツダはここで、1975年にマツダRX-3で初クラス優勝して以来、過去に23回クラス優勝を遂げてはきたものの、総合優勝は逃してきました。ここデイトナにおいて24回目のクラス優勝、そして、初の総合優勝をあげることをめざして、マツダUSAチーム一丸となりレースにのぞみました。

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昨年までは、SKYACTIV-Dクリーンディーゼルエンジンの実験の場として、このデイトナ24時間を活用してきましたが、2017年からの車両規則変更によってディーゼルエンジンの使用ができなくなるため、一年前倒しして今年から新パワーユニットを採用。新ユニットは、2リットル直列4気筒DOHCのガソリン直噴レシプロエンジンで、ターボチャージャー過給することで、最大570馬力を発生するというもので、「マツダMZ-2.0T」と名付けられました。

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マツダUSAのモータースポーツ活動の一つとして、若く才能豊かなドライバーを発掘し、育成してアメリカのモータースポーツの発展に貢献させていただきたいと考えています。そこで、全米各州に存在するマツダMX-5ワンメイクレースやカートレースから勝ち上がってきた若者にスカラシップを用意し、さらにうえのカテゴリーに挑むチャンスをサポートしています。

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今回のデイトナ24時間レースに出場する6名ほとんどが、それぞれラダーシステムを勝ち抜いてきた生え抜き。

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マツダMZ-2.0Tエンジンを搭載したマツダ・プロトタイプは、1月8日から10日に行われたデイトナテストデーから好調で、3日間のテストを経て全体でトップ3に。しかし、28日の公式予選が悪天候に見舞われたため、土砂降りのリスクを避け、無理なアタックをひかえる作戦を実行。スターティンググリッドは13台のプロトタイプクラス中10位(70号車)と12位(55号車)との結果で予選を終えました。

そしていよいよ、本戦の30日。

晴天のもと、デイトナビーチ市長の挨拶、アメリカ国歌斉唱に続き、グランドマーシャルによる「ドライバーズ、スタート・ユア・エンジンズ」のかけ声によって、各車とも一斉にエンジンを始動すると、フォーメーションを整えるローリングラップがスタート。

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そして、プロトタイプカー、プロトタイプチャレンジ、GTE/GTD各クラス別に整列が確認されると、フラッグタワーにグリーンフラッグが振られ、24時間の激闘が始まりました。

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10位スタートの70号車、12位スタートの55号車がそれぞれクリーンなスタートを切りました。そして、オープニングラップから先行する上位車のスキをうかがいます。

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じりじりと間合いを詰めた2台が先方に飛び出そうとしたその時、70号車がインフィールドのグリーンにマシンを止めているシーンがモニターに映し出されました。

オフィシャルカーに引っ張られてガレージに戻った70号車は、走れなくなった原因をチェック。最終的には、エンジン系の部品が壊れたことで、内部を破損していたことがわかりました。

一方、僚友を失った55号車は、ここから攻めの走りを前面に押し出してきました。スタートから1時間後には7位、その後もポジション争いの勢いを抑えることなく、最高2位まで順位を上げました。その後も速いペースで周回を重ね、なんと一時首位に躍り出ます。

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ところが、3度目に首位に立ったのち計画通りにピットインし、燃料補給を終えてエンジンを再始動しようとしましたが、エンジンは動こうとしません。エンジニアたちがあちこちを検査し、ECUを別のものに交換するとようやくエンジンに火が入りました。

この小トラブルで2周を失ってしまったのは痛いロスでしたが、その後ボマリートからスペンサーに変わったのちも、スタート直後と変わらないハイペースで周回。2周あった前車との差をじりじりと詰めていき、1周差にまで挽回しました。

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これまで、大排気量のV6エンジン、V8エンジン搭載車がデイトナ24時間の有力マシンでしたが、2リットルの軽量小型エンシジンを搭載したマツダ・プロトタイプが挑戦する姿はアメリカ人のみなさまに伝わり、場内アナウンスも興奮気味にマツダ・プロトタイプの躍進を伝えていました。

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しかし、それは長くは続きませんでした。レースが折り返しを迎える午前2時40分のちょうど1時間前に、7位を走行していた55号車のエキゾーストから炎とともに白い煙が。消火のため消火器の粉末がかけられ、真っ白となった車体は、走行不能と判断。

マツダUSAのモータースポーツダイレクターのジョン・ドゥーナンは、「とても残念な結果ですが、今回のトラブル原因と解決策は必ず見つかるはずです。今回得た手応えを確実にものにし、選手権の残りを戦っていきます。日本から応援していただいた皆さん、ありがとうございました。次回3月19日のセブリング12時間レースに期待していただきたいと思います」と語りました。

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会場の様子をまとめた動画をご紹介します。ドライバーが語るレースへの意気込みや、レースの緊張感を映像でご覧ください。

(動画:MZ-Racing公式YouTubeサイト引用)

次なる挑戦の舞台は、「セブリング12時間レース」。このレースは、1952年に始まった伝統あるレースで、フロリダ州にある、滑走路を一部使った一周約6kmのサーキットです。3月19日(土)に開催される「セブリング12時間レース」にて、マツダ Women In Motorsport活動でリーダーをつとめる井原慶子さんが、70号車で参戦することになりました。

井原さんは、かつてFIA世界耐久選手権シリーズ(WEC:World Endurance Series)に参戦し、セブリング12時間レースも経験。強力な助っ人として、レースを盛り上げてくれると期待が膨らみます。昨年(2015年)12月にフロリダで行われた新エンジン搭載のLMP2マシンシェイクダウンテストにも参加いただき、マシンのポテンシャル確認やチームメイトのコミュニケーションも順調です。「飽くなき挑戦」のスピリットを、今後とも応援のほど、よろしくお願いします。

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▲【デイトナ24時間レース】2016年新シーズン、新体制!マツダUSAのオフィシャルチーム「マツダ・モータースポーツ」が盛り上がっています。(2016年1月29日)
https://blog.mazda.com/archive/20160129_01.html(マツダ公式ブログ)

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