MAZDA BLOG
2016.4.28

減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」の開発に携わったマツダの研究者3名が、平成28年度科学技術分野の文部科学大臣表彰をいただきました

クルマが減速時に放出していた運動エネルギーを電気エネルギーとして回収し、再利用することで燃費を向上させる減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」(アイ・イーループ)。

この技術開発に携わったマツダの研究者3名が、「キャパシタを用いた乗用車用減速回生システムの開発」において、「平成28年度科学技術分野における文部科学大臣表彰」の科学技術賞(開発部門)をいただきました。

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(写真:i-ELOOPシステム構成)

2012年のマツダ アテンザ以降の新型車に設定し、燃費の向上、CO2排出量の低減に貢献するi-ELOOP。

減速エネルギー回生システムは、クルマが減速時に放出していた運動エネルギーを電気エネルギーとして回収し、再利用することで燃費向上を図るものです。
エネルギー回生により蓄えられた電気は、エアコンやヘッドライト、オーディオなどの電装部品の電力として用いられ、発電のために消費していた燃料を節減することができます。

i-ELOOPでは、減速時のエネルギー回生能力を高めるため、エンジンで駆動発電しているオルタネータの電子回路部を小変更しました。これにより、最高電圧を従来の12V程度から25Vに引き上げるとともに、瞬時に大きなエネルギーを貯めることができる低抵抗で小型な電気二重層キャパシタを世界で初めて乗用車に本格採用。クルマが走行中に消費する電気エネルギーをエンジンの発電にほとんど頼ることなく、減速時に回生したエネルギーだけで概ねまかなうことを可能にしました。

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このシステムを内燃機関搭載車に適用することで、10%程度の燃費向上が期待でき、グローバルな規模において、CO2の低減に大いに効果的であることなどを高く評価いただきました。

なお、今回受賞した賞は「科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者」に与えられるもので、マツダの受賞は昨年のSKYACTIV-D(スカイアクティブ ディー)に続き、今回が4回目となります。

【受賞概要】
業績名:「キャパシタを用いた乗用車用減速回生システムの開発」
開発担当者:
藤田 弘輝(ふじた ひろき)マツダ株式会社 技術研究所
高橋 正好(たかはし まさよし)マツダ株式会社 パワートレイン開発本部
平野 晴洋(ひらの せいよう)マツダ株式会社 パワートレイン開発本部

ここで、i-ELOOPの作動イメージを動画でご紹介します。

マツダは、今回の受賞を励みに、さらなる安全技術・環境技術の向上をめざした開発を継続し、走る歓びをお届けすることで、お客さまに選ばれ続けるオンリーワンのブランドになることを目指していきます。

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カテゴリー:クルマ