MAZDA公式ブログ
2016.5.27
CX-3がJNCAPファイブスター賞を「平成27年度JNCAP自動車アセスメント」において最高得点で受賞。衝突安全性能を追求するエンジニアの想いとは。

ドライブをしていて、一番避けたいのが「交通事故」。万が一の事態に、乗員や歩行者へのダメージを少しでも軽減したい。そんな想いで「衝突安全性能開発」に向き合うエンジニアの取り組みを紹介します。

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パッシブセーフティという課題

クルマの安全性能には「アクティブセーフティ」と「パッシブセーフティ」という考え方があります。

アクティブセーフティは、事故が起きないよう未然に防ぐ考えのもと開発される技術で、夜間の視認性を高める「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」や、車線の逸脱を警告する「レーンキープ・アシスト・システム(LAS)」などがあります。

そしてパッシブセーフティは、事故が起きた時の被害をできるだけ軽くすることを目指して開発される技術で、乗員の安全性確保や歩行者保護を主眼としています。マツダの安全技術の思想は、こちらのブログでもご紹介しています。

 

SKYACTIV BODYによる安全性の向上

現在は世界で様々な団体がクルマの安全性能を評価し、その結果を公表しています。そして、本日5月27日に公表された「平成27年度JNCAP自動車アセスメント」において、CX-3が新・安全性能総合評価で最高評価のファイブスター賞をいただきました。

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(写真:平成27年度 JNCAPの新・安全性能総合評価で最高評価のファイブスター賞を受賞したCX-3)

「マツダ車の安全性能の向上に大きく貢献していること、それは『基本骨格の一からの見直した』ことです。」
前面衝突時の安全開発を担当する古谷 雅之(ふるたに まさゆき)は、こう語ります。

クルマづくりのすべてを一から考え直したSKYACTIV TECHNOLOGYでは、ボディの基本設計も一新。高い剛性と軽量化により、走る歓びや人馬一体感、優れた燃費を実現し、さらに衝突安全性に関しても、その理想を基本から具現化しました。

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(写真 左:主に前面衝突の安全開発を担当する古谷)
(写真 右:CX-3のSKYACTIV BODY)

「衝突安全で重要なことは、いかに衝突のエネルギーを吸収するか。このためマツダではCX-5以降、『高効率マルチロードパス構造』と呼ばれる、衝突時のエネルギーを複数の経路に分散・吸収する構造を採用しました。

また、エネルギーの吸収には、衝突時にボディは効果的につぶれ、人が乗っているキャビンは変形を抑えて守ることが必要です。そこで前席乗員の足元やキャビン中央部などにより強度の高い素材を採用し、キャビンを強固に守る構造としています。マツダではCX-5以降採用している、このボディ構造革新により、デミオやCX-3といったコンパクトな車種までも、高い衝突安全性能を実現させ、高い衝突安全性能を実現させることができました。」

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(イラスト:衝突エネルギーを複数の経路で分散させる高効率マルチロードパス構造)

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(写真 左:JNCAPのフルラップ前面衝突試験での衝突の瞬間)
(写真 右:つぶすべきエンジンルームをつぶし衝撃を吸収させ、乗員の乗るキャビンはしっかりと守る)

JNCAPのオフセット前面衝突試験風景を動画でご紹介します。

 

コンパクトなクルマにも高い衝突安全性を

では、側面から衝突された場合はどうなのでしょうか?

SKYACTIV BODYでは、側面衝突に対しても強固なボディ構造を持たせています。しかし、デミオやCX-3のようなコンパクトな車種は、乗員とドアの間が狭く、側面からの衝突エネルギーを吸収する上でも不利なのは確か。

側面衝突の安全開発を担う井上 伸生(いのうえのぶお)は、こう語ります。
「コンパクトな車種では、サイドエアバッグやカーテンエアバッグに工夫をすると同時に、シートのフレーム形状やドアトリムのアームレスト構造なども工夫をこらして、総合的に安全性を確保しています。」

その際、デザイン担当と協力しながら内装の寸法などを調整することもしばしば。ボディの大小にかかわらず、世に出るクルマである以上、高い衝突安全性を提供していくことは、マツダ全社員の共通認識なのです。

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(写真 左:井上は「人を助ける仕事がしたい」という志望動機でマツダに入社)
(写真 右:CX-3のエアバッグ展開イメージ)

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(写真:JNCAPの側面衝突試験後のCX-3)

 

歩行者保護とデザイン性の両立

歩行者の安全も大変重要な課題です。ここでポイントとなるのは「下半身と頭」。クルマにはねられる時は、まず膝がバンパー部と接し、次に頭部がボンネットからフロントガラスに衝突することが多いと分析されています。

現在のマツダのクルマは、膝への力の集中を防ぐために、複数のポイントが下半身に接するようにフロント形状を工夫しています。さらに、ボンネットも、頭が当たった時に衝撃を効果的に吸収するために、エンジンルーム内に空間を確保し、潰れやすい構造にしています。

歩行者の安全開発を担当する鬼頭 応時(きとう まさとき)はこう語ります。

「バンパーやボンネットはクルマのデザインと密接に関係するので、デザイナーとのコミュニケーションは欠かせません。魂動デザインと安全性を両立するため、デザインから設計まで一丸となり理想の姿を追求し続けます。」

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(写真 左:歩行者保護に携わる鬼頭)
(写真 右:CX-3における歩行者保護衝突時の人体挙動)

 

さらなる安全性を追求

より安全なクルマをめざし、新しい取り組みとして、安全に関する調査・分析も積極的に進めています。各国の安全に関する論文や市場調査資料をデータベース化し、新しい安全技術開発や発想のヒントとしています。

この先行技術開発を担当する柴原 多衛(しばはら たえい)は、今以上に安全なクルマにするためには何が足りないのかを明らかにするために、多くのネットワークを構築して情報収集に活かしています。

見えない課題を見えるようにしていく苦労の多い仕事ですが、「安全は積み重ねによって徐々に実現していくものですから」とモチベーションは旺盛。今後、マツダの安全技術の革新は、こうした地道な「情報の蓄積」から生み出されるかもしれません。

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(写真 左:調査・分析を担う柴原)
(写真 右:人体の構造についての知識も必要)

 

世界中からの感謝に応えるために

不幸にして事故に遭遇してしまった、世界のマツダ車ユーザーの方々から、その衝突安全性能に対する感謝の言葉が、手紙やメールでたくさん寄せられます。ご家族の微笑ましいお写真や、事故車両の画像とともに送られてくるものもあります。そうしたお手紙を見るたび、衝突安全性能の開発メンバーは、仕事に向き合う自分の姿勢を見つめ直します。目指すべき究極の目標である「乗員の死亡者、重傷者ゼロを可能にするクルマ」の実現に向けて。

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(写真左:お客様から寄せられた感謝のお手紙やメール)

 

最後に、ドライバーの皆さんに向けて開発メンバーはこう加えました。

「どんなにクルマの安全性能が上がっても、最終的には運転する方の行動が大切です。特にシートベルトをしていなければ、せっかくの衝突安全技術の恩恵は受けられません。後席の方も含め、クルマに乗る際には必ずシートベルトをして、安全なドライブを楽しんでください。」

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CX-3のJNCAPファイブスター賞受賞の詳細は下記リリースをご覧下さい。

▲「マツダ CX-3」、JNCAPファイブスター賞を平成27年度最高得点で受賞
http://www2.mazda.com/ja/publicity/release/2016/201605/160527a.html (マツダオフィシャルサイト)

(写真/動画提供:独立行政法人 自動車事故対策機構)

カテゴリー:クルマ