MAZDA公式ブログ
2017.6.15
【CX-5 開発の舞台裏②】マツダらしさ、日本らしさにこだわり、魂動デザインをより高い次元へ進化させる

CX-5の開発に深く携わった、エンジニアやデザイナーをご紹介する、「CX-5開発の舞台裏」シリーズ。

第2回目の今回は、デザイン開発を統括したチーフデザイナーの諌山慎一(いさやま しんいち)が登場します。

CX-5のデザインと、マツダの開発陣に脈々と受け継がれる“ものづくりの精神”が、深く関係しているようです。

*前回の記事はこちら

新型CX-5とチーフデザイナー諌山
(写真:チーフデザイナー 諌山)

 

 

表現したいのは、刀工にも通じるマツダのものづくりの精神、人がつくり出したものにも命が宿ると考える、日本の感性

 

マツダのデザインでは、美しいものを所有する喜びや愛着を通じて、お客様にとってかけがえのないブランドとなることを目指している。

幼い頃からクルマに憧れ、迷うことなくカーデザイナーとしての道を進んできたチーフデザイナーの諌山も、同じ志を抱いていた。

 

「クリエイションに携わる者として、地球上に美しいものを残したい。美しいクルマのデザインで、世界中の景色と人々の暮らしに豊かな彩りを与え、より魅力あるものに変えたい」

CX-5チーフデザイナー諌山

 

その志のもとで、ブランドを体現するデザインを確立するためには、日本というアイデンティティを表現することが必要なのでは、と諌山は考える。

 

彼自身2008年からドイツとアメリカに相次いで駐在し、初めて自覚的に外から日本を見る機会を持った。

 

そして、脈々と受け継がれる緻密を極めた工芸の技や、無駄や虚飾を排した茶道など世界に誇れる日本の精神を、クルマづくりに活かせないかと考えるようになったと言う。

新型CX-5日本の美学なつめ

 

諌山が考える日本の表現とは、単に日本らしい素材や伝統的な形をデザインに取り込むことでは断じてない。

 

「ただ目新しさを追い求めるのではなく、見かけだけを飾るのでもない。私が表現したいのは、刀工にも通じるマツダのものづくりの精神であり、人がつくり出したものにも命が宿ると考える日本の感性です。日本人にしかできない細やかな配慮や丹念な造り込みにより、思想や生き様を表現するのです」

マツダ玉川堂コラボレーション魂動器

 

彼が言うマツダのものづくりの精神とは、愚直さ、そして本質と真正面から向き合う姿である。

 

刀工が、砂鉄から製錬した鉄を何度も叩いて折り畳み、研ぎ澄ましていくように。

精魂込めてつくられた刀が、道具を超えた存在感を放つように。

 

そのようなクルマづくりを極めることで、クルマが機械であることを超え人間の心に語りかけてくる。

これこそ、まさにマツダらしく、日本らしいのではないかと諌山は言う。

CX-5インテリアクラフトマンシップ

 

もちろん、その中軸にあるのは「クルマに命を与える」という魂動デザインの思想に他ならない。

諌山は、日本ならではの美学を改めて解釈した上で、魂動デザインをより高い次元へと進化させることに挑んだ。

CX-5チーフデザイナー諌山開発中シーン

 

躍動感に満ちたその個性を成長させ、大人の風格を感じさせる洗練と力強さを兼ね備えた、研ぎ澄まされた美しさを表現する。デザインキーワードRefined Toughness(リファインド・タフネス)=洗練された力強さ”は、この想いから生まれたのである。

 

その志の通り、CX-5がひとたび動き出すと、一見シンプルな造形のボディ面に映り込んでいる風景や色が、美しく変化していく。

新型CX-5

 

フロントフェンダーに走っている強めのエッジが、ボディサイドの後方に行くにつれて丸い断面に変わり、強い光の線がやさしくゆたかな光の面になるという、デリケートな造形表現を見せる。

 

それは、面や線による直接的な表現を抑制し、簡潔にしてエレガント、エレガントにして骨太なたたずまいを目指すもので、まさに日本の美の基本でもある『引き算の美学』を追求している。

新型CX-5

 

この考え方は、インテリアにも息づいている。

日頃から茶道をたしなむ諌山の心に自ずと浮かんだのは、茶室だった。

新型CX-5インテリアテーマ茶室

 

「乗員にはリラックスしてもらいながら、ドライバーには運転に集中できる空間を提供したいと考えたとき、くつろぎと緊張感の調和が心地よい、茶室のイメージが思い浮かんだ」という彼のエピソードが、モノではなく精神性の話であることは言うまでもない。

 

無駄を排しシンプルな中に趣のあるたたずまい。

上質な心地よさのなかに気持ちの引き締まるような感覚が潜む、そんな空間を追求したのだ。

新型CX-5インテリアテーマ

 

クルマは美しい道具であると同時に、命あるアートであり、心高ぶるマシンでありたいというデザイナーたちの想いは、CX-5のデザインに余すことなく注がれた。

 

時代に消費されていく新奇なものではなく、豪華さやハイテク感の表現でもない。

マツダらしさ、日本らしさへのこだわりによって生まれたこのクルマには、単なる造形論を超えた奥深い想いが込められているのである。

新型CX-5

 

 

最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました!

次回は、CX-5のエクステリアデザインについて詳しくご紹介します。どうぞお楽しみに。

 

▼CX-5の深化について、開発主査の児玉眞也(こだま まさや)と、チーフデザイナーの諌山が語ります。
以下の動画もぜひご覧ください。

 

▼前回の記事 【CX-5 開発の舞台裏①】

~目指したのは、すべての乗員が走る歓びに満たされるクルマづくり
http://blog.mazda.com/archive/20170608_01.html

カテゴリー:クルマ