MAZDA公式ブログ
2017.7.27
【CX-5 開発の舞台裏⑦】開発者たちが目指した、すべての乗員が満足する静粛性

CX-5の開発に深く携わった、エンジニアやデザイナーをご紹介する、「CX-5開発の舞台裏」シリーズ。

最終回の今回は、走行性能を担当した開発者たちが登場します。

ドライバーだけでなく、乗る全ての方に走る歓びを感じていただくために、彼らが特に注力した「静粛性」についてご紹介します。

 

CX-5の試作車、海外での開発シーン

(写真:CX-5の試作車、海外での開発シーン)

 

 

静粛性こそ、走りの質感を上げるカギのひとつ

 

 

CX-5は、2012年に先陣を切ってSKYACTIV技術と魂動(こどう)デザインを全面導入したモデルだ。

その新型を開発するにあたって、走行領域の開発者たちは、これまですべての新世代商品*が目指してきた人馬一体の走りを可能な限り高めることを目指した。

*「SKYACTIV技術」と「魂動デザイン」を全面的に採用したモデルの総称。

 


(写真:開発副主査 林)

 

開発副主査の林貴誉志(はやし きよし)は、このチャレンジに向けて開発目標の計画立案を行い、かつ車両開発本部に属する設計・実研の全部門のまとめ役として、開発をリードする役割を担ってきた。

 

開発一筋でクルマづくりに打ち込んできた林の顔は広い。

定例会議など一切持たず、個別にエンジニアと連絡を取り合い、各部門に足繁く通いながら開発を促してきた。その彼が特に重視したのが室内の静粛性だった。

 

CX-5開発シーン
(写真:開発中のシーン)

 

「マツダ車の走行性能を表すのに、我々はよく意のままという言葉を使いますが、これは単にドライバーの運転操作の通りに動くというだけではありません。すべての乗員に違和感、不快感を覚えさせない車両の動き、そして快適に過ごしてもらうための室内の静粛性を含みます。つまり、CX-5のダイナミック性能を高めるということは、全乗員のために走りの質感を1ランクも2ランクも上げるということであり、そのカギのひとつが静粛性なのです」

 

 

「静粛ゾーン」に到達するための、ローラー作戦

 

 

こう語る林のリーダーシップのもと、静粛性のうちのロードノイズ*を担当したのが粟根正浩(あわね まさひろ)だ。

 

新世代商品群の開発にあたって、彼らのチームでは『室内ノイズバランス』という指標を設定しており、CX-5では、高速走行でも荒れた路面でも極めて静かな、彼らが『静粛ゾーン』と呼ぶ領域に目標を置いて開発してきた。

*ロードノイズ:走行中、道路の凸凹など路面からの刺激により発生する騒音

 

NVH性能開発部粟根
(写真左:NVH性能開発部 粟根、写真右:室内ノイズバランス指標)

 

「CX-5の静粛性を、この『静粛ゾーン』まで引き上げるには、タイヤ、サスペンション、ボディなどすべての領域でNVH*性能を高めなければならず、大きな挑戦でした」と粟根は振り返る。

Noise(騒音)・Vibration(エンジンやタイヤからの振動)・Harshness(路面の凸凹による振動)

 

対象となるのは車両領域のほとんどすべて、部品点数にすると何万というレベルだ。新世代商品の開発でこれまでにやり切った部分を改めて疑い、改善できることがないか探っていくことになる。

 

CX-5試作車を使った海外での開発シーン
(写真:試作車を使った海外での開発シーン)

 

例えば、空気の振動を検知してトップシーリング(天井の内張り部分)の微かな振動を発見したのも、テスト走行でリアフェンダーに共振するパネルがあることを見つけ出したのも、やり切ったはずなのに残っているポイントを探し出す、窮余のローラー作戦によるものだった。

 

こうした細部の積み重ねで、CX-5のロードノイズは『静粛ゾーン』に到達できたのである。

 

新型CX-5

 

 

単に静かなだけでなく、心地よいディーゼルエンジンの音とは

 

 

一方で、ディーゼルエンジンの質感向上に取り組む開発チームが重視したのも、『音』だった。

 

ディーセルエンジンの音・振動のスペシャリストである岩田陽明(いわた きよあき)は、これまで搭載してきたノッキング音低減技術*の制御をより細密で安定的なものにすることに加え、ノッキング音の発生源から車室内に至る伝達経路をつぶさに調べ上げた

*ノッキング音(エンジンの異常燃焼により発生する音)を低減する、「ナチュラル・サウンド・スムーザー」や「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」

 

エンジン性能開発部 岩田クリーンディーゼルエンジンSKYACTIV-D2.2
(写真左:エンジン性能開発部 岩田、写真右:クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」)

 

そして、エンジン部品に留まらず車両部品にまで踏み込んだ遮音・制御を行うことで、「単に静かなだけでなく、なめらかな加速フィールにマッチする、心地よい上質な音」をつくり込んでいった。

 

そこにはかつて、単身で海外拠点に赴き、現地の様々なディーゼルエンジン車を部品単位までバラして遮音や制振の調査に明け暮れた、そんな経験から鍛えられたセンスがしっかりと生きている。

 

新型CX-5開発シーン
(写真:試作車を使い、音の伝達経路を調査しているシーン)

 

このように、様々な開発者が部門の壁を越えて心をひとつにし、CX-5の走りの質感を磨き上げることに全力を注いだ。

そして、CX-5の走りの質感を向上し、『ドライバーだけでなくすべての同乗者に、より上質な心地よさをお届けする』という目的を達成した。

 

しかしこれはゴールではない。新しいスタートラインはすぐそこにある。

マツダの進化、そして開発者たちのチャレンジは続く。

 

新型CX-5開発シーン

 

皆さん、いかがでしたでしょうか?

公式ブログでは今後も、マツダのクルマづくりにおける、こだわりや作り手の想いをご紹介してまいります。

 

▼CX-5の走行性能について、詳しくはこちらもご覧ください。
http://www.mazda.co.jp/cars/cx-5/feature/driving/?link_id=sbnv
(マツダオフィシャルサイト)

 

▼【CX-5開発の舞台裏】これまでの連載

①目指したのは、すべての乗員が走る歓びに満たされるクルマづくり
http://blog.mazda.com/archive/20170608_01.html

②マツダらしさ、日本らしさにこだわり、魂動デザインをより高い次元へ進化させる
http://blog.mazda.com/archive/20170615_01.html

③チームを超えたコラボレーションで実現したエクステリアデザイン
http://blog.mazda.com/archive/20170622_01.html

④ブレない想いで到達した、ひとつ上のインテリアデザイン
http://blog.mazda.com/archive/20170703_01.html

⑤色のエキスパートたちが挑んだのは、本能が美しいと感じる光をつくり込むことだった
http://blog.mazda.com/archive/20170713_01.html

⑥舞台裏の274部品。「マツダに乗る歓び」をより大きなものにするために
http://blog.mazda.com/archive/20170720_01.html

カテゴリー:クルマ