MAZDA BLOG
2021.3.17

バック駐車だけじゃない! 「360°ビュー・モニター」で、安心・安全・快適な運転を。

みなさんこんにちは!今回、ご紹介するのは「360°ビュー・モニター」です。

2018年にご紹介した内容ですが、多くのアクセスをいただいていますので、最新の情報や写真を追加し、再度、ご紹介させていただきます!

 

駐車場や見通しの悪い交差点、すれ違いなどでの運転を苦手と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

低速でゆっくり慎重に走っていても不安になってしまう理由の1つが、ドライバーからは見えない「死角」。360°ビュー・モニターは、その「死角」をなるべく見えるようにすることで、安心・安全・快適な運転をサポートします。

※360°ビュー・モニター」は、メーカーセットオプションです。詳細は、車種サイトをご覧ください。

 

マツダが360°ビュー・モニターを導入したのは2017年8月、アクセラの商品改良から。以降、MAZDA2、MAZDA3、MAZDA6、CX-3、CX-30、MX-30CX-5、CX-8と、対象車種を広げています。最近は身近になっているこの装備ですが、その中にも「マツダならでは」の想いや工夫、すなわち「人間中心の設計思想」が込められています。

 

 

人間中心の設計思想

人間がクルマに合わせるのではなく、人間に合わせてクルマをつくるというマツダならではのアプローチ。理想のクルマのあるべき姿を追い求めて徹底的に人間特性を研究し、まるで自分の体の一部のようにクルマを動かせられるようなドライバーの意思とクルマの動きの一体感とそこにある安全・安心な走り、すなわち「人馬一体」を目指す設計思想です。

360°ビュー・モニターは、車両の前後左右に備えた計4つのカメラにより、車両を上方から見たようなトップビューのほか、フロントビュー、リアビュー、左右サイドビューの映像をセンターディスプレイに表示します。モニターの映像は人間中心の設計思想に基づき、遠近感や距離感をつかみやすい自然な映像を目指しています。また狭い場所での駐車やすれ違い、T字路への進入時に、確認したいエリアの状況が直感的に把握しやすく、より的確な運転操作に役立ちます。

それでは、いくつか動画をご覧頂きながら、特徴をご紹介しましょう。

 

1. 狭い場所での駐車

最初は「狭い場所での駐車」です。こちらの動画をご覧ください。

 

こちらはリアビュー画面の画像です(試験室で撮影)。この見え方(画像の補正方法)にも、人間中心の設計思想が反映されています。

 

「奥行き」に関わる延長線が1点で交わります。ここで、絵画などで奥行きを出すための構図「一点透視図法」を思い出されるかもしれません。

クルマが動く空間は3次元であるのに対し、モニターの映像は2次元。そのため、このように画像を補正することで奥行きを表現し、ドライバーが直感的に距離をつかみやすいようにしています。

「あれ?画像補正はトップビューだけじゃないの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。現在、マツダの360°ビュー・モニターでは、すべて「魚眼レンズ」のカメラを採用しています。魚眼レンズは広い視野が持てるメリットがありますが、そのまま表示すると「ゆがんで」感じられてしまうことがデメリット。そのため、表示される画像は、すべて補正されたものになっています。

 

前後左右、4つのカメラ(MX-30)

 

実際には、リアビューやフロントビューの時に前後のカメラそのものはもっと広い視野を捉えていますが、ここにも人間中心の設計思想を反映しています。駐車する際の後退や前進の時には、低速で走行します。カメラは空が映るくらいの広い範囲を捉えていますが、駐車時には必ずしも重要ではない情報と考え、ドライバーにとって必要と思われる範囲をなるべく大きく表示しています。

続けて、となりのトップビュー画面をご覧ください。下の画像の緑色の点で示した「黒い線」があるのが見えます。これは何を意味するものでしょう?

 

こちらは、映像を映しているカメラの「境目」です。実は、この線にもマツダならではの考え方が反映されています。各カメラの撮影範囲は重なっているため、画像処理の技術的にはこの境目もぼかすなど分からなくすることも可能です。しかし、あえてしっかりと見せることで、どのカメラが映す画像なのかをドライバーに分かりやすくして、より状況の把握に役立ててもらうに考えました。

 

2.T字路への進入

次に、「T字路への進入」の動画をご覧ください。

 

ここでも人間中心の設計思想が反映されています。フロントビューの画面に、緑の線でヒントを付け足してみました。

 

先ほどの、「狭い場所での駐車」の時と、画像の補正が異なります。緑の線は、前方を通る道の幅をイメージ。車が正面に近づいて来るとより大きく見え、直感的に左右からの「接近」を「認知」しやすいよう工夫しています。
また、左右の視野が「約25メートル」であることにも理由があります。ある程度の速度で近づいてくるクルマに対して「ドライバーが認知→判断→操作」することを考慮し、マツダ独自に設定した条件です。近づいてくるクルマやバイクなどを認識できるよう、遠くからある程度の大きさで表示されることも条件に盛り込んで設計されています。

 

3.狭い道でのすれ違い

こちらは「狭い道でのすれ違い」の動画です。

 

「狭い道でのすれ違い」時の左右サイドビューでは、6メートルほど先まで映しています。これも人間中心の設計思想で独自設定した条件で、低速のすれ違い時で、どれくらい先まで見えるのが適当かを検討しました。意外と先まで見えていると思いませんか?

 

4.バックでの出庫

最後に、「バックでの出庫」の動画をご覧ください。

 

バックで出庫する際は死角が大きくなってしまいますが、リアワイドビューに切り替えると、ワイドアングルによって約25m先まで映しだします。ここでも、「T字路への進入」と同じく、近づいてくるクルマやバイクなどを認識しやすい設計思想が反映されています。

(左:リアワイドビュー、右:リアビュー)

 

 

デザインにも配慮

カメラが広い視野を持つためには、レンズのまわりに何も無いつまりクルマのボディーより飛び出した状態が必要です。一方で、外観からカメラの出っ張りが分かると、デザイン性を損なうことがあります。そのため、カメラの設置についてもデザイン担当と十分に検討し、なるべく目立たないように配慮しながら、視野の確保にも努力しました

 

MX-30のフロントカメラとリアカメラ。目立ただないようにカメラをレイアウトしており、デザイン性と視界確保を両立した努力が伺えます(緑矢印はカメラの位置を示しています)。

 

 

走る歓びを広げるオプション

「一番大切な基本行動となるのは、やはり目視です。それでもクルマに死角は存在し、誰でもミスしてしまう可能性があります。そこを360°ビュー・モニターがサポートし、モニターを通して『見える』ことで、お客さまの不安や負担を軽減する。そして、より快適な運転につながると考えています。さらに、例えばクルマの大きさにとらわれず好きな車種を選んだり、行動範囲が広がって『走る歓び』をもっと感じたりできるきっかけになれば、本当にうれしいですね」と開発担当者は語ります。

MAZDA3以降の新世代商品では、高解像度カメラ、フルデジタルシステムを採用し、画質を向上させると共に、トップビューに表示される車両イラストや車幅線などグラフィックの表現が豊かになりました。

 

360°ビュー・モニターで安心して、ゆとりあるドライブをお楽しみください!

 

カテゴリー:クルマ