MAZDA BLOG
2023.5.18

eスポーツ(eSPORTS)からリアルレースへの挑戦

クルマの運転は好きだけど、モータースポーツの敷居は高いかも?という方もいらっしゃると思います。マツダは、モータースポーツに参加したい方や、関心をもつ方を増やしていくため、様々な取り組みを進めています。今回のブログでは、マツダが昨年立ち上げた「倶楽部MAZDA SRIRIT RACING」の活動を通じたユニークな取り組みの一部をご紹介します。

eスポーツがリアルモータースポーツのきっかけに

いまやゲームは、グラフィックや操作の手応え、音の変化などリアルな表現でますます現実世界に近づき、臨場感やゲーム世界への没入感を高めてきました。そして大変多くの方がeスポーツを楽しむとともに、オンラインで世界中のプレイヤーとの対戦なども行われています。

クルマを運転するゲームも人気があり、eスポーツとしてカーレースの大規模な世界大会も開かれています。天候によるクルマの内外装や風景の見え方の違いや、路面状況、タイヤの状態、加速・減速時の特性を捉え、排気音の違いや変化まで現実に近づいています。

MAZDA RX-VISION GT3

マツダは、世界中に数多くのユーザーがいるゲーム「Gran Turismo SPORT」「Gran Turismo 7」で、オフィシャルパートナーとして2020年から世界大会をサポートし続けています。また、2022年には国内初となる「MAZDA SPIRIT RACING GT CUP 2022」を主催し、一般のプレイヤー約6,000名が参加。オンライン上でのバーチャルカーレースを通じて熱戦が繰り広げられました。

大盛況の世界大会決勝会場

そして2023年には「チャレンジプログラム バーチャルからリアルへの道」を始動。これはeスポーツ大会「MAZDA SPIRIT RACING GT CUP 2022」の成績優秀者にリアルなクルマの楽しさを体験していただく機会をお約束し、バーチャルの世界からリアルモータースポーツの世界に一歩踏み出す機会を提供するものです。

 

リアルレースへの挑戦に向けて

本物のサーキットに用意されたレース仕様車

「バーチャルからリアルへの道」でまず行われたのは、筑波サーキット(茨城県)での走行体験会。「MAZDA SPIRIT RACING GT CUP 2022」で優秀な成績を残したトッププレイヤー19名が2チームに分かれて、2月16-17日と3月8-9日に集合し、2日間かけてサーキットでのリアルモータースポーツ参戦へ向け、講習を受けました。

プログラムでは、安全のための走行ルールを学ぶとともに、現役のレーシングドライバーが講師となって今回の参加者それぞれのドライビングスキルに応じて運転操作をアドバイス。講師は、国内外の数々のレースで活躍する加藤彰彬氏や井尻薫氏、関豊氏などのプロレーシングドライバーの方々です。参加者には5台のレース仕様のロードスターを用いたショートコースでの実走行やコースチェック、走行動画やデータの振り返りなど段階的に実車の運転に慣れていただきました。各日程の2 日目には、筑波サーキット本コースの走行体験とレース参加に必要なルール講習、運転アドバイス等が行われました。

講師からのアドバイス

歩いてコースの路面をチェック

参加した皆さんはかなりのクルマ好き。ゲームだけでなく、すでに本物のサーキット走行を体験した方も。リアルレースへの参加はさらに人数が絞られるということで表情も真剣そのものでした。

実車の操作を確認

自身の走行データを確認

結果、今回の参加者のうち9名が、リアルレース体験への参加機会を得ました。早ければ6月18日開催予定のナンバー付車両で争う耐久レース「マツダファン・エンデュランス(マツ耐)もてぎ」に参戦予定。公式ホームページでも紹介しますので応援をよろしくお願いします!

修了証が手渡され記念撮影

【MAZDA SPIRIT RACING GT CUP 2022概要】
    https://www.mazda.com/ja/innovation/digital-motor-sport/esports-challenge/

 

チャレンジプログラム企画者に聞く!走る楽しさをもっと拡げたい

なぜマツダが「バーチャルからリアルレースへの道」のチャレンジプログラムを始めたのか。本活動の企画・運営をリードするカスタマーサービスビジネス企画部の油目雅史(あぶらめ まさふみ)にこの取り組みの背景について聞きました。

 

- eスポーツからリアルモータースポーツを目指すという企画のきっかけは。

実は私自身、学生時代からeスポーツをずっと楽しんでいました。クルマの運転は好きだけど、実車によるリアルなモータースポーツは金銭的な面も含め敷居が高いと感じていました。本格的なレースとなればチームへ所属したり、レースに向けて体制づくりをしたりすることも必要になってきます。

マツダはアメリカで、プロレーサーとして段階的にハイレベルなレース参戦を目指せるような賞金(奨学金)付きの支援プログラムを設け続けています。しかし日本ではこうしたプロ志向の方に向けた仕組みよりも、まずもっとモータースポーツを身近に始める部分にこそ敷居の高さがあると感じていました。

そこで、マツダでは、一般の方が参加するモータースポーツを盛り上げるため、より挑戦しやすくなる機会を提供し、マツダとともに挑戦を楽しんでいただきたいと考えました。それがこのチャレンジプログラムです。

MAZDA ROADSTER NR-A のGran Turismo7※での画像

近年のレースゲームやシミュレーターにおけるクルマやサーキットコースの再現度はとても高く、実際のサーキットを走る前の練習にも十分応えられるようになってきています。

eスポーツをきっかけにモータースポーツに興味を持ち、そんな方の中からリアルレースへ挑戦する環境は、すでにしっかりと整いつつあると感じます。

バーチャルとリアルの違いを理解している講師に参加いただき、限られた時間の中でも安全に一定のレベルでモータースポーツを楽しめるように、私の経験を織り交ぜながらこのイベントを企画しました。

参加者はもちろん、このブログやイベントの様子を見た方にもモータースポーツを身近に感じていただきたいという思いを込めています。

 

- サーキット走行会でレース仕様のロードスターに試乗した参加者からの反響はいかがでしたか。

はじめはマニュアルトランスミッションのシフト操作を筆頭に実車の操作に慣れないところも見受けられましたが、自身の走りを改善していく経験やプロセスはeスポーツでの経験があるため、皆さんリアルモータースポーツの場においても適応力が非常に高いと感じました。はじめてサーキットを走った方でも半日も走ればかなり良いタイムで安定して周回できており、想定以上のレベルの高さに講師の方と共に嬉しい驚きとなったことが印象的です。

プログラムの参加者からは、「実車でレースをはじめるには敷居が高かったが、今回マツダのプログラムに参加できて良かった」「(サーキットで走るのが)夢だった」という声をいただきました。

他にも「リアルコースを走ってみて実車とバーチャルの差が明確にわかった。コースの微妙な凹凸やうねり、レコードラインから外れた時のタイヤカスなど、バーチャルでは再現できない領域を経験できるのは実車ならでは」「バーチャルでの経験からそれなりの走りはできると踏んでいたが、想像通りと想像とは異なる領域があり、最初は少し混乱しました。講師の皆さんのアドバイスで自分なりに理解できたと思います」「当初はマツ耐への参加につながればラッキーかなという程度でしたが、今は絶対に参加してみたいです!」など、さまざまなコメントをいただきました。皆さん大変意欲的に取り組まれた上での気づきや目標を得ていただけたので、引き続きレース参戦に向けてサポートしていきます。

 

 モータースポーツ活動として、マツダは他にどんなことをしていますか。

マツダが掲げている「走る歓び」をリアルに体験していただく場を作ることは大切だと考えています。そのため、マツダでは参加型モータースポーツに協賛し、より走りを楽しみたい方への体験の場を積極的に創出していきます。またそういった体験の場を将来にわたって提供していけるよう、スーパー耐久レースにおいて、カーボンニュートラルへ挑戦する取り組みも行っています。

2023年度のモータースポーツ協賛

まず参加型のモータースポーツとして「ロードスター・パーティレースⅢ」が人気です。ロードスターのワンメイクレースですが、公道走行可能なナンバー付き車両なので、普段使いもできるクルマでレースができます。
公式ホームページ: https://www.party-race.com/

そして「マツダファン・エンデュランス(マツ耐)」。こちらは、公道走行可能なナンバー付きのマツダ車で参加できる耐久レースで、今回リアルレースの参加機会を得た9名の皆さんもこちらに参加されます。
 公式ホームページ: https://endurance.mazda-fan.com/

また「ロードスター・パーティレースⅢ」や「富士チャンピオンレース ロードスターカップ」で優秀な成績を収めたドライバーが、スーパー耐久シリーズにチャレンジするプログラム「スーパー耐久への道」も用意しています。
 公式ホームページ:https://www.mazda.com/ja/innovation/motorsports/supertaikyu/challengeprogram

 

- お客さまに参加して楽しんでいただくだけでなく、マツダとしても昨年からスーパー耐久レースに参戦していますが、今年の目玉は?

MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept

 

2023年スーパー耐久シリーズのST-Qクラスに「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」およびST-5クラスに「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」2台で参戦しています。

ST-Qクラスでは、トヨタ、スバル、ホンダ、日産と企業連携でカーボンニュートラル燃料を用いた実証実験を行っています。「MAZDA3 Bio concept」はユーグレナ社の次世代バイオディーゼル100%使用の「サステオ」を燃料にしています。持続可能なモータースポーツの姿をつくり、時代の変化に合うモータースポーツ活動の啓発、認知拡大に努めていきます。

なお、昨年完走できなかった富士24時間レースが5月下旬に予定されており、今年こそはとリベンジを誓っています。また夏以降にST-Qクラスに「MAZDA ROADSTER」で参戦し、ガソリン代替のカーボンニュートラル燃料の実証実験にもチャレンジします。

■2023年スーパー耐久シリーズの参戦体制はこちら

 

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マツダは、様々な体験の場を通じて「走る歓び」をより多くの人に感じていただき、活き活きとした人の輪を広げていきたいと考えています。

またモータースポーツの領域においては、将来にわたってサスティナブルなモータースポーツのあるべき姿を創造していくことで時代の変化に適合した「走る歓び」を提供し続けていくことを目指します。

そしてモータースポーツのすそ野の拡大に少しでも貢献し、モータースポーツ文化の発展につながる活動を行います。

当ブログでは今後もマツダモータースポーツ情報をご紹介していきますのでお楽しみに。

 

マツダ公式モータースポーツサイト:
https://www.mazda.com/ja/innovation/motorsports/

 

※Gran Turismo 7: TM & ©️2023 Sony Interactive Entertainment Inc. Developed by Polyphony Digital Inc.