MAZDA公式ブログ
2015.5.27
「からくり改善」が国境を越える!からくり伝道師の挑戦とは?

「からくり改善」という言葉を耳にされたことはありますか?

この「からくり改善」とは電気などの動力を使わず、重力など自然の力を使い、やりにくい作業を自分達の手で改善して、やりやすい作業へ変える取り組み。マツダでは1990年から「からくり改善」の取り組みを行っています。実は、以前こちらのマツダ公式ブログでもご紹介したことがあります⇒こちら

マツダのモノづくりへの情熱が込められたこの取り組みは、国境を越えて、マツダグループ全体に広がっています。言葉の壁、文化の違いなどを乗り越えた、様々な試行錯誤と、からくりにこめた熱い想いをご紹介します!

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(写真左:『あっかんべー太郎』、写真右:『ボルとるーん』、TBSがっちりマンデーでも紹介されました。)

 

「改善することの楽しさをもっと伝えたい!」

そう語るのは、グローバルマスタートレーナーとして「からくり改善」を海外に広げるべく奮闘した、佐伯一英(さえきかずひで)さん。約6年前の2009年から、からくり改善活動に関わり、塗装領域のトレーナーとして「重量物運搬の軽減」や「治具受け渡しの自動化」などを考案してきました。

「現場のみなさんと一緒にからくり改善作品を作りながら、現場で考えだす改善そして実際に改善作品を作り上げていくことが楽しく、やりがいを感じていましたね。」自分の経験から「改善する楽しさを伝えたい」という強い思いが芽生えたという佐伯さん。

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(写真:グローバルマスタートレーナーの佐伯さん)

 

「海外でからくり改善」という新しい取り組み

モノづくりの楽しさを伝える機会が増えていくほど、からくり改善がこれからどうあるべきなのかと考えるようになったとか。自問自答しながら答えが見出せずに悩んでいた佐伯さんに、昨年3月、転機が訪れました。それは、グローバルマスタートレーナーとして、「からくり改善マスタートレーナー」を育成するという企画。しかも、「海外でからくり改善」という、これまでにない取り組みです。

当初は、悩んだものの、グローバルマスタートレーナーとして「モノづくりはもちろんだが、改善することの楽しさにも共感を得られる教え方ができるか、それを追求しながら実践したい」と意気込みを新たに、世界で通用するモノづくりへの挑戦が始まりました。

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(モノづくりの楽しさを伝える佐伯さん からくり改善くふう展2012にて 写真左:ペットボトル同期台車もTBSがっちりマンデーで紹介されました)

そんな中、昨年の8月、タイからの研修生、オパスさんとラチャポンさんが来日しました。2週間でからくり改善の基本的な知識・技能、からくりの意味、そして佐伯さんが培ってきた指導方法を習得する事が目的です。
そして、記念すべき最初の作品を作るべく、研修生のラチャポンさんとオパスさんが目を付けたのは、マツダ本社工場に設置されているペットボトル同期台車。これは、ベルトコンベアの流れに合わせて部品を入れた箱が動き、作業員の歩行数を大きく減らすことができるからくり改善です!

研修終了後、タイに戻り、からくり道場の準備を始めました。
同期台車のアイデアをベースにこだわって完成させたからくりは、新たな動力源を一切使わない“オールからくり”!

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(写真左:本社工場で研修中 写真右:段ボールでできた試作品)

研修後の進捗確認と現地サポートをするため、AAT現地へ向かった佐伯さんが見たものは、日本と同じように、改善メンバー全員で「からくり改善」に取り組んでいる姿。「本社工場での研修内容を、自分たちに合う内容に置き換え工夫を凝らしている点には驚きました。」と、とても感心したそうです。

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(写真右:佐伯さんから学んだ事をまとめ、二人が完成させたテキスト)

また、「改善に対する興味と関心度の高さは私たちと同じ気持ちで取り組んでいることを感じることができました」と、AAT現地訪問の中で、二人のバイタリティの高さに素直に喜びを感じることができたと言います^^

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(写真左:トレーナーの育成が彼らの仕事!日本で学んだ手法をAATで展開していきます。)

自分たちのこだわりに自信をもってトップマネジメントに報告する二人は自信に満ち溢れていました。研修を修了し、「からくり改善マスタートレーナー」に認定されたラチャポンさんとオパスさんはもうすっかり一人前のトレーナーの顔。AAT工場のからくり改善活動、そしてより良いクルマづくりへの一歩をスタートさせています。

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(写真:研修を修了し、マスタートレーナーに認定されたラチャポンさん(左)とオパスさん(右))

 

からくり改善が海を渡る。初めての海外活動での苦労とは。

「文化は違いますが、からくり改善そのものは、すぐ現場に受け入れられていきました。「改善したい!」という思いが強く、経験を重ねていけば、きっとうまくやってくれると期待しています。」

「一番苦労した点は、コミュニケーション。通訳の方が常にいるわけではなかったので、使えるのはつたない英語と身振り手振り。それでも、改善への想いは共通なので、なんとか意思疎通を図っていました。」

お互いの考えや思いのズレをどう埋めるか、佐伯さんはいつもその日の出来事を振り返り、次にどうすべきか考えノートに書き留めて引き出しを増やしています。

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(写真右:佐伯さんの大切なノート。ノートを見ると佐伯さんの熱い想いが伝わってきます。)

 

「からくり改善」に向けた「志」

「グローバルな『からくり改善』の展開を通じて、海外の工場で働く作業者一人ひとりが常に改善に取り組み続ける現場を実現して行きたいと思っています。そして、『工場の主役は自分たち』と現場で働く人々が胸を張って改善に取り組み、海外の工場が『からくり改善』で溢れた姿に近づけて行ければと思います。この、私自身の「志」を実現させるために「挑戦」し続ける事が私の使命だと思っています。」

「そして、苦労した言葉のコミュニケーション。ずっと苦手だった英語を覚えたいと思い、5月から英語研修へ参加しています。苦手意識を持っていましたが、まずは単語から勉強しています!」

英語習得への新たな挑戦を始めたと語る佐伯さん。もちろんその理由は、次の海外からくり改善のため!からくり伝道師ことグローバルマスタートレーナーの瞳は未来を見ていました^^

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マツダでは海外工場も一緒になって、自分達の職場を自分たちの想いで改善し、「働きやすい職場に変える」こと。また、「達成感」、「充実感」を味わい、挑戦し続ける『強い集団』を造ることを目的に、これからもからくり改善に力を入れていきます。

2013年7月に行われた、からくりの社内発表会で最優秀賞に選ばれた「もみじまんじゅう式ピアノ」はこちらのブログでご紹介しています。ぜひご覧ください。
▲生産現場の改善魂が生み出した「からくり」とは?!(マツダ公式ブログ)
http://blog.mazda.com/archive/20130829_01.html

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カテゴリー:モノ造り