【デイトナ24時間レース】2016年新シーズン、新体制!マツダUSAのオフィシャルチーム「マツダ・モータースポーツ」が盛り上がっています。
世界で最も過酷な耐久レースのひとつと言われるデイトナ24時間レース。
マツダUSAは、このデイトナ24時間レースに、2台のプロトタイプマシンで参戦します。
1月末に予定されている「デイトナ24時間レース」にむけたテストセッションが、1月8日~10日までの3日間行われました。50台を越すレースカーが参加したテストセッションの様子をご紹介します!
新春恒例となっているこのテストセッション。この機会にデイトナ24時間レースで強いチームがどこなのか目星をつけるべく、全米各地からスポーツメディアなどの報道関係者が多数デイトナに集まります。オーランドやジャクソンビル、遠くはタンパやマイアミなど、フロリダ州の主要都市から多くのレースファンが集結。
メディアやレースファンでにぎわうピッドガレージの中でも、マツダUSAのオフィシャルチームであるマツダ・モータースポーツは特に注目を浴びていました。マツダのプロトタイプマシンは赤と黒に塗り分けられ、全く新しい印象に生まれ変わっています。
マツダLMP2プロトタイプの大きな変化は外観だけではありません。これまでのディーゼルエンジンから2リットル4気筒ガソリン直噴ターボエンジンに置き換えられています!
なお、2017年よりACO(フランス西部自動車クラブ)によって、新しい規則が導入され、エンジン、シャシーともに規則が一新されます。そこで、LMP2では、新規則に沿った仕様を採用し、燃料もガソリンに統一しているのです。
昨年までのディーゼルエンジンは、SKYACTIV-Dの量産ブロックを使ったレースエンジンを使用。この2年間のレース経験でマツダは様々な知見を得ることができました。テストセッションの初日に行われたプレスカンファレンスにて、マツダUSAのモータースポーツ・ダイレクターであるジョン・ドゥーナンが、出場車両「マツダ・プロトタイプ」の説明をさせていただきました。
新しいパワーユニット「マツダMZ-2.0T」は、英国のレースエンジン開発会社と共同開発した4気筒ガソリン直噴エンジン。大径シングルターボで過給され、排気量2リットルながら、最大出力は約570馬力を発生します。開発に大きく関わったドライバーのジョナサン・ボマリートは、「素晴らしいエンジンに仕上がっています。低速からの効果的なトルクや高回転域のパワーは申し分なく、またターボラグをほとんど感じないため、とてもスムーズで扱いやすいパワーユニットです」と語っています。
マツダ・プロトタイプは、2台で2016年ウェザーテック・スポーツカー選手権にチャレンジします。
1台目は、ベースとなっているスピードソースチームがかねてから使っているカーナンバー70。トム・ロング(ノースカロライナ州、33歳)とジョエル・ミラー(カリフォルニア州、27歳)をレギュラードライバーとして登録し、デイトナ24時間にはベン・デブリン(英国、33歳)が加わります。
そして、2台目のマツダ・プロトタイプは、2016年がマツダのル・マン優勝25周年であることにちなみ、優勝車のマツダ787Bがつけていたカーナンバー55に設定。こちらは、ジョナサン・ボマリート(テネシー州、33歳)とトリスタン・ヌネス(フロリダ州、20歳)がレギュラーエントリーし、デイトナには新進気鋭のスペンサー・ピゴット(カリフォルニア州、22歳)が追加登録されます。
今年新たにチームに加わったピゴットは、マツダUSAのドライバー育成「ラダー(はしご)」システムを上がってきたドライバーで、2014年と2015年のインディライツチャンピオンに輝いている実力派。今年はアメリカ最高峰のオープンホイールレースであるインディ500にも出場することが決まっており、才能豊かなライジングスターとして注目されています。
1月8日(金)~10日(日)に実施されたテストは、24時間レースと同様に最大31度のバンク角を持つ2.5マイルオーバルコースとインフィールドのテクニカルセクションをつないだ1周3.56マイル(5.7km)コースで行われました。
テストセッションは1回あたり約1時間から2時間半で、3日間では合計7回。1月9日(土)には、ナイトセッションも設定されました。午前中は各車トラブルが続出しましたが、午後のセッションでは各車ともスムーズにテストが進行。マツダチームは、すぐにレーシングスピードでのテスト走行を行い、トップチームと肩を並べるまでとなりました。
しかも、この時点でのチームのベストタイムを記録したのはルーキーのピゴット。「今日初めてこのクルマに乗りましたが、運転しやすくて気に入りました」と落ち着いたコメントを寄せてくれました。
この午後のセッションで2台はそれぞれ3名全員が走り、クルマへの慣熟を進めていきました。二日目のテストでは各チームともサスペンションやエンジン制御のセッティングを進め、ラップタイムはグングンと速くなっていきました。マツダチームには機械的なトラブルはほとんどなく、セッティングも順調。そのおかげで、3日目の午前中のセッションでは、70号車がトップに0.4秒差の総合2番手タイムを記録し、55号車もそれに0.1秒差で続きました。
最終的には総合3位と5位のタイムで、パドックのあちこちから、「今年のマツダは速いな」、「シーズン開幕直前の今、かなり完成度が高そうだな」という声が聞こえてきました。
チームをまとめているシルベイン・トレンブレイは、「ご覧の通りだよ。なんの問題もない。チーム内はエブリバディ・ハッピーさ。ことしはいい年になりそうだよ。ワクワクするね」とウィンク付きでコメントをくれました。
マツダ・モータースポーツチームは、この3日間で相当の周回を走り込み、24時間レースに向けた大量のデータ収集に成功しました。本年の第54回デイトナ24時間レースは、現地時間1月30日午後2時40分にスタートを切ります。
皆さん、応援をよろしくお願いします!