MAZDA2 特別仕様車「Sunlit Citrus(サンリット シトラス)」誕生秘話 ~カラーデザイナーが込めた想い~
太陽の光をイメージし、明るく前向きになる室内空間を目指したMAZDA2の特別仕様車「Sunlit Citrus(サンリット シトラス)」。
このクルマに込めた想い、開発の経緯や特長を、インテリアのデザインを担当したカラー&トリムデザイングループの村上佳央(むらかみ かお)が語ります。
非日常を感じさせる「光と影のアート」
―MAZDA2「Sunlit Citrus」のデザインコンセプトは?
MAZDA2は、ちょっとした日常をより彩る上質なコンパクトカーを目指して開発しており、洗練されたインテリアや外観デザインを提供しつづけています。
MAZDA2全体のデザインテーマは、“光と影のアート”。
これまでのレギュラーモデルも、日常のシーンで感じられる光と影を切り取り、上質さや遊び心を両立させた色合いをデザインに落とし込んで表現しています。
今回の特別仕様車ではさらに一歩踏み出し、五感を刺激して人生をいきいきさせる空間を目指しました。
イメージしたのは、非日常である旅行、それも南方への旅の中で感じられる光のシーン。
木漏れ日などの優しい光を思い浮かべながら、太陽の差し込む場所でのびのびするなど、すがすがしさのある日差しという視点を入れてデザインしており、明るい気持ちになれる空間を意識して作り込んでいきました。
世界観をつくる上でのデザインへの落とし込み
―デザインの着想はどこから得ましたか?
まず、MAZDA2に初めて導入するボディカラーの「プラチナクォーツメタリック」に合うインテリア空間を考えることからスタートしました。
ファッションで“トーン オン トーン”と呼ばれる、同系色でまとめた洋服のコーディネーションに、異なるカラーでアクセントを取り入れるスタイルがありますが、コンセプトを考えていく過程で、ワントーンのシンプルな服装に、大ぶりな黄色のイヤリングを身に着けている画像に出会い、これぐらいの大胆さがほしいという想いでインテリア空間のイメージを固めていきました。
―イメージする世界観をインテリア空間でどのように表現しましたか?
日差しのニュアンスを表現したかったので、あえてムラのある素材を使い、明るく優しい印象のある色合いのグレージュのシートで光の表情を再現しました。
また、目を引くような大きなアクセントを入れたいという想いでシトラスカラーの太い帯を取り入れました。
例えば、料理でもレモンなどかんきつ類の彩りを添えることによって、それがスパイスとなり、食事にアクセントをつけることができます。日常生活でのスパイスになってほしいという思いから、特別仕様車のコンセプトとして”シトラス(かんきつ類)”を使いたいと思い、この黄色を採用しました。
―デザインに落とし込む中で工夫したポイントはありますか?
センターアクセントの帯には、コンパクトカーのクラスを超えた仕立てやしつらえを目指し、ディテールにこだわっているMAZDA2の精緻な印象を出すために、上質さを表現する織りの素材を使っています。
織りの柄によって印象もかなり変わります。イメージに合うものを何度も試作し、センターアクセントの帯の意匠を決めていきました。
(開発段階のサンプル品)
また、シートのグレージュ色と、帯のシトラス色は近い色相のため、実は合いにくい組み合わせなんです。通常ステッチはシートの色(グレージュ)と合わせることが多いのですが、今回はあえてパイピングやステッチにホワイトをいれ、2色をうまく調和させる工夫をしています。
細部までこだわりを込めた専用アイテム
―その他、特別仕様車ならではのこだわった点はどこですか?
専用のキーシェルとフロアマットを用意しました。華やかさを加えたいとの想いで採用した専用フロアマットは、明るすぎると汚れが目立ちやすくなるため色味の調整に苦労しましたが、足元が明るいだけでクルマの中の雰囲気がかなり変わることを感じていただけるのではないかと思います。
さらに、クルマを降りてからもバックに入れて持ち歩くなど、お客さまにとって一番身近な存在となるクルマのキーもこだわりを詰め込みました。
インテリアテーマカラーとコーディネートした2種類の専用キーシェルをご用意しております。専用キーシェル用の箱も内装の色と合うものをオリジナルでしつらえています。
ドアを開けた瞬間のすがすがしさ
―このクルマを通して、お客様に感じてもらいたいことは?
クルマは、寄り添える場所のようなパーソナルスペースだと感じています。このMAZDA2 「Sunlit Citrus」では、お客様に明るい気持ちになっていただける空間を目指しました。
実車をご覧いただく機会があれば、ぜひドアを開けた瞬間のすがすがしさを感じてみてもらいたいですね。ディテールまで見ていただければ細部までこだわりが込められていることを実感いただけるのではないかと思います。
そして、オーナーとなってくださったお客様には、ぜひ気晴らしや気分転換にこのクルマに乗っていただければと思います。私自身、仕事やデザインに行き詰まったときなど、一度違う場所に行き環境を変えて、気分転換をすることがあります。乗るたびに明るい気持ちになったり、マインドセットしていただくことができたら嬉しいですね。
いかがでしたか?
クルマのインテリア空間は、ドライバーが一番接する場所。
そこにはデザイン開発のさまざまな想いが織り込まれています。
前向きな気持ちになれる「Sunlit Citrus」の空間をぜひ試乗で体感してみてください。
■MAZDA2車種サイトはこちら(マツダオフィシャルサイト)
https://www.mazda.co.jp/cars/mazda2/
■ボディカラー「プラチナクォーツメタリック」の誕生秘話 ブログ記事はこちら