夢の実現をサポートし未来を拡げる ― マツダデザインインターンシップ「魂動塾」
マツダは、「最大の経営資本は人である」という考えのもと、どこよりも「ひと」がいきいきしている企業を目指しています。一人ひとりがエネルギーに満ち溢れ、共に働く仲間たちと一緒に成長していく場を創りあげることがマツダの成長につながると信じています。
そんな一緒に働く仲間との出会いとなる人財開発活動の一環として、さまざまな部門で学生向けのインターンシッププログラムを用意しています。
今回のブログ記事は、マツダのデザイン本部のインターンシッププログラム「魂動塾」に込めた想い、またその魂動塾の経験を経て、実際にマツダに入社し活躍しているデザイナーの現在や将来に描く姿をご紹介します。
左: デザイン本部プロダクションデザインスタジオ 呉 洋介 (エクステリアデザイナー)
右: デザイン本部デザイン開発推進部 田口 雅典 (デザイナーの人財採用・育成活動を担当)
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活動の意義は、「夢の実現をサポートしたい」という想い
―デザイン本部のインターンシップ「魂動塾」はいつ頃始まったのでしょうか。
田口: 2013年からスタートし、11年目を迎えており、これまで延べ300名以上の学生の皆さんに参加いただいています。
きっかけは、マツダの魂動デザインに込められた「クルマに命を与えたい、唯一無二の存在を創りたい」という想いを、学生の皆さんにも共有する目的からスタートしました。
―「魂動塾」に参加する学生の皆さんにどのような想いを持っていますか?
田口: もちろん将来共に働き活躍していただける方との繋がりを拡げていきたいという想いはありますが、デザイナーを志す学生の皆さんのスキルアップも含め、「夢の実現をサポートしたい」というのが一番の想いです。実際に私たちと共になにかを創り上げ、成長していく経験や繋がりを通して、お互いの絆を深めていければ嬉しいですね。
田口: マツダに興味を持っている人ももちろんですが、興味がなくても自分の夢や目標を持っていて、前向きにがんばりたいと思っている学生さんと一緒に活動していきたいですね。
―実際に受講された呉さんは魂動塾どのような雰囲気でしたか?
呉: 私が受講したのは2015年(大学2年生)と2016年(大学3年生)で、まさに魂動塾が始まった初期の頃でした。当時は1回につき4-6名前後と割と少ない人数でしたが、人数が少ない分たくさんのデザイナーの方とお話ができ、とても学びやすい環境でしたね。
田口: 実は現在は、呉さんが参加された当時と比べるとコースが増え、1回の参加者は10~20名と規模は大きくなっているんですが、同じようにアットホームで居心地がよかったと感じてもらえるような雰囲気づくりを心がけています。楽しく学びながら、夢のバックアップができればと思っています。
漠然とした好きから、「夢」に変わった
―呉さんがマツダに興味を持ち、受講しようと思ったきっかけは?
呉: もともと小さい頃からクルマに興味を持っていました。両親がマツダ車に乗っていて、幼いながらもかっこいなと憧れがありました。それがマツダを知った最初のきっかけですね。
カーデザイナーという仕事を知ったのは中学校くらい。それまでは漠然とクルマが好きとか、クルマのらくがきをするのが楽しいという感じだったのが、クルマをデザインしたいという夢に変わってきて、美術大学に進学し、カーデザインを専攻して学んできました。
―具体的にどのようなプログラムが組まれているのでしょうか。
田口: 毎年テーマは変えていますが、未来の先まで想像してもらった上で新しいデザインを生み出し提案してもらうというのが基本的なプログラムです。
コースも都度変更はありますが、「カーデザイン」「CMFデザイン*1」「UI/UXデザイン*2」「モデラ―*3」などの領域にわけて用意しています。
*1:C(Color:色)、M(Material:素材)、F(Finish:加工)。表面を構成する要素をデザインする領域。
*2:UI(User Interface:ユーザーの視覚に触れる情報)、UX(User Experience:商品やサービスを通して得られるユーザー体験)をデザインする領域。
*3:立体的な形状にデザインする領域。
呉: 私が実際受講したのはカーデザインのコースです。大学2年生で参加したプログラムでは、当時コンセプトモデルのRX-VISIONとVISION COUPEを公開していたタイミングだったのもあり、スポーツカーやセダン、SUVなどのさまざまな車形で、艶やかでエモーショナルな「艶(えん)」と凛々しく研ぎ澄まされた「凛(りん)」を描き分けるというテーマでした。
左:RX-VISIONが「艶」、右:VISION COUPEが「凛」を表現したコンセプトモデル
呉: ちなみに大学3年生で受講した時のテーマは次世代ロードスターを提案するというものでした。
課題のテーマに対し、鉛筆画のスケッチからレンダリングして三次元でのグラフィックに落とし込み最終提案をするという内容でしたね。
―楽しそうでもあり難しい内容ですが、どのようなところにやりがいを感じましたか?
呉: 当たり前ですが、インターンシップのプログラムの中でも時間は決まっていて、限られた時間の中でクイックに幅広いアイデアを出し、提案をまとめていかなければいけない点がやりがいでもあり、苦労したことでした。
1つのアイデアに縛られることなく、まずは幅広くアイデアを展開して、そこから新たな発想やひらめきに転換していくことの重要性、そして時間内にアウトプットをだせるように自分でタイムマネジメントを行うこと。これが魂動塾で経験できた学びでした。
実際仕事においても期日がある中で提案をまとめていかなければいけないうえに、複数のアイデアを提案しなくてはいけない場面が多くありますので、ここで得た学びが活かされているのかなと思います。
※魂動塾のイメージ写真
呉: やはりデザイナーとしてなにより一番大事だと感じたのは、スケッチの段階から、はっと目に留まり、これを形にしてみたいとわくわくするような魅力的な絵を描くこと。自分が何気なく描いた絵でも先輩デザイナーにこの絵は魅力的だねと言われた時や、最後の成果発表の後にいい提案だったねと言われたときはとてもやりがいを感じました。
憧れの存在ではなく、人生で自分が働くフィールドという実感へ
―実際参加してマツダやカーデザインに対する気持ちの変化はありましたか?
呉: もともとはプロで働くデザイナーってものすごくこだわりがあるがゆえに、敷居が高いイメージがあったのですが、実際はとてもフレンドリーで優しく接していただきました。とはいっても、デザインの理想を突き詰めていくこだわりを高く持った方たちというのは良い意味でイメージは変わらず、現役で働くプロデザイナーの凄みを体感できましたね。
呉: マツダに対する気持ちの変化でいうと、もともとの憧れという存在から、人生において自分が働いていく場所、自分が働く姿として現実的なイメージを描けたという感覚が持てました。そういう意味でも本当に魂動塾に参加して良かったと思います。
―田口さんは企画側として、どのようなところにやりがいを感じましたか?
田口: 長く付き合っていく中で成長した姿を見せてくれるととても嬉しいですね。
それに活動の中で学生さんが真剣に取り組む姿や、いきいきした表情を見ると私も「よし、頑張ろう!」と前向きな気持ちになれます。
ぜひこちらの動画で、実際の魂動塾の場で学ぶ学生さんの姿や表情をご覧ください。
―とても真剣な表情で、楽しく活動されているのが伝わってきますね!
グローバルで活躍できるカーデザイナーを目指したい
―魂動塾の参加の経験を経て実際に入社されてからはどのような業務をされていますか?
呉: 入社して最初の約3年間はインテリアデザイン領域を担当していて、100周年記念車やCX-60に携わりました。現在はエクステリアデザインで、新型車のデザインを担当していますので、お披露目できる日までお楽しみに(笑)
―これまでの業務で一番やりがいを感じたプロジェクトは?
呉: CX-60のインテリアパーツのヒーターコントロールパネルやコンソールを担当したプロジェクトですね。入社したばかりの頃に、上司からやってみろ、と初めて最後までメインで担当した初めての量産車のプロジェクトなので、とても想い入れもあり、やりがいを感じました。
―そのプロジェクトで壁に感じたことや難しかったことはありましたか?
呉: デザイナーって絵を描くイメージが強いですが、設計部門との多くのやりとりや、量産化への幅広い知識が必要だったり・・そこが苦労した点でもあり、自分が成長できる良い経験だったなと感じます。あとはやはり、期日がある中決められた日程でアイデアをだして進めなければいけないというプレッシャーが、やりがいでもあり大変なところでしたが、魂動塾でも学んだワークやプレゼンの経験でも活かされているのかなと。
そうして苦労して自分で手がけたものが、実際世に出てお客さまに使っていただいたり、見た目のデザインだけでなく使いやすいと言っていただけると、とても嬉しく思いますし、仕事への活力になりますね。
―今後どのようなデザイナーを目指していきたいですか?
呉:デザイナーとしてまずはお客様が欲しくなる、かっこいい!と思えるデザインを提案したいです。
あとは最近、出張で海外に行ったり、マツダの海外拠点のデザイナーと一緒に仕事したりするのですが、これらを経験してもっと視野を広げて仕事をしていかなければと感じています。グローバルな視点でデザインを考えられるデザイナーになるために、日々成長し続けながら活躍していけたらと思っています。
育成ではなく、「プロデュース」
―入社後のキャリアサポートはどのようなものがあるんですか?
田口: 入社直後は、あるテーマを持ってデザインツールを使いながらアウトプットをだすという実際の仕事を疑似体験できるような研修があります。こちらは魂動塾に通じるものがありますね。
その後もいろいろなキャリアサポートプランを用意しており、例えば、産学共同の活動で、大学と一緒に進めるものづくりプロジェクトを若手デザイナーに経験してもらい新たな気づきを得てもらったり、海外のワークショップやモーターショーの視察も積極的に参加できるような風土です。
あとはスタートアッププログラムというのもあり、マツダとして必要だと思えるものを誰でも提案できるような仕組みもあります。例えばAIを使ってこんなことをしてみたい、というように。
―魂動塾や入社後のキャリアサポートの活動において、一貫した想いなどがあれば教えてください。
田口: 私、育成っていう言葉は好きじゃないんですよね。育成で教えるというよりは、一緒に学んでいく立場だと思っています。
時代も流れて、多様性が拡がりいろんな価値観が生まれていく中で、我々は育成という意識というよりは、その人の価値を最大限に活かせるようにプロデュースしていきたいという想いをもって活動しています。その人が目指す姿を実現させるために、一緒に寄り添いながらサポートして背中を押してあげられるような活動をしていきたいですね。
―今後の人財開発活動の展望や想いはありますか?
田口: デザイナーという仕事を目指すきっかけをもっと増やしていきたいです。小学生などの早い段階からまずはカーデザイナーという仕事を知り、興味をもってもらうことで子どもたちが描く未来や夢の幅を拡げていければと思います。現在も活動を少しずつ進めていて、小学生向けにクレイモデルを削ってデザインの仕事に触れてもらう機会などを提供しています。
田口: あとは、クルマ業界に限らず他社さんとの交流を拡げていきたいです。今後も多様な価値観が拡がっていく未来に向けて、新たな視点で新たな気づきを得られるような場をどんどんと用意していきたいと思っています。
いかがでしたか?
マツダは、マツダに共感し一緒の価値観で共に働く仲間との出会いの活動、そして、マツダで働く上でのキャリアサポートや企業風土を、常に高めていくことを目指しています。
■デザインインターンシップ「魂動塾」WEBページ