マツダが挑むマルチソリューション③ ~CX-60オーナーが語るマツダのPHEVの魅力とは~
昨年デビューした「CX-60」は、マツダのラージ商品群の第一弾として導入され、さまざまな新技術が織り込まれています。
「マツダが挑むマルチソリューション(前編・後編)」に続き、今回は、マルチソリューションの一つとしてマツダで初めて設定されたe-SKYACTIV PHEV※をご購入いただいた東京都在住の田中さまの「オーナーズボイス」をお届けします。
※PHEV(プラグインハイブリッド):外部充電が可能なハイブリッド車。ガソリンでも電気でも走ることができる。
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– CX-60のPHEVをお選びいただいた経緯を教えてください。
CX-60を買う前はずっとセダンに乗ってきました。
マツダに乗り始めたのは、2013年にアテンザが日本車で初めてワールド・デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーのベスト3に選ばれた時、妻がその記事を私に見せてきたのがきっかけです。
初めてマツダのディーラーを訪れて、今までの日本車にない美しいデザインに驚き、即決しました。
MAZDA6(欧州仕様車)
その後も、商品改良のアテンザに乗換えてしばらく乗っていましたが、次のクルマを考えはじめた頃、自動車市場で増えつつあるSUVに新しいデザインや技術が展開されるようになってきたように感じ、自分の中で少しずつセダンへの意識が変わっていきました。
もう一つ、55歳の時に転職しました。
それまで働き詰めの毎日でしたが、サラリーマン生活の締めくくりとして、自分のやりたい業界でもう一度チャレンジしたかったのです。
長年勤めていた会社を退職し、新天地で勤務してみると、気持ちが前向きになって価値観がだいぶ変わりました。
今まで乗ってきたセダンは、きっと自分にとってスーツみたいなものだったのだと思います。
今の時代はスーツにネクタイでは息苦しいような気がしますし、シャツにカーディガンのほうが仕事ができそうに見えたりします(笑)。
そう考えるとクルマも時代が変わったのかもしれない、セダンという枠にとらわれなくてもいいかもしれない、と思い始めてSUVが視野に入ってきました。
また、CX-60のPHEVが出てきたタイミングが、自分の気持ちと一致したのも大きかったです。
コロナ禍で国内旅行をするようになったのですが、訪れた奈良で野生の鹿がとても大切にされているのを目の当たりにして、こういう場所では排気ガスを出さないクルマのほうがいいだろうなぁと感じました。
とは言え、私のようにクルマで遠出したい人にとって、EVという選択肢はインフラや走行距離を考えると非常に難しい。
PHEVなら、ガソリンで走りたい時と電気で走りたい時を分けられますし、自分の自然に対する考えや思いを、走り方にも反映できるのではないかと思いました。
チャージモードは、設定された目標SOC※%を維持して走行。
100%で設定しておくと、EVモードに切り替えた際、満充電の状態から走り出すことができます。
(※SOC:State of Chargeの略で、電池の充電状態を表す指標)
– 自然に対する意識は、昔からお持ちだったのですか?
子どもの頃、親戚が観光地でホテルを営んでいて、家族でよく遊びに行きました。
そこはマイカー規制をしていたのですが、それでも徐々に環境が悪くなっているのを子どもながらに感じていて、根底にそうした体験があったことも影響しているのかもしれません。
コロナ前に良く訪れていた海外でも、自然や野生動物を大切にする価値観に触れ、強い共感を覚えることがしばしばありました。
クルマは、選んだ人のライフスタイルを表現する製品だと思います。
大げさなことではなく、自分の出来る範囲で、未来のために周囲への優しさを持って行動したりしてもいいのではと思うようになりました。
昨今クルマは過渡期にあると思います。
クチコミ等を見ると出先での充電やインフラはまだ不十分かなと感じていましたので、EVを選択するのはハードルがありました。
現状をふまえると、PHEVが今の私にぴったりの選択肢だと思いました。
カーボンニュートラルという観点でも、日本ではEVもパーフェクトとは言えないですよね。
現時点ではまだ電力の大半が火力発電でまかなわれていますから、EVの普及に向けては、電力のつくり方全体で捉えていく必要があると思っています。
– PHEVという新しい技術に対する不安はありませんでしたか?
まったく無かったわけではありません。
でも先にPHEVが発売された欧州で一定の評価を受けているのをWebや動画で見ていましたので、大きな不安と言うほどではありませんでした。
もちろん新技術ならではの問題も出てくるかもしれませんが、厳しい欧州で揉まれて改善され、信頼できるPHEVになって日本で発売されるのではと期待していました。
「CX-60の動画も魅力的で、ナレーションにも共感しました」
また、マツダのクルマづくりに対する信頼感もありました。
最初に買ったアテンザは、デザインは非常に良かったのですが、内装に関しては正直とても不満がありました。
しかしその後の商品改良で、自分が感じた内装への不満点が全部解消されていたのです。
それに加えて、スピーカー位置が改善されて音が良くなったり、シートのホールド感が向上して長時間の運転も疲れにくくなったりしていて驚きました。
その対応力を目の当たりにしていましたので、技術開発は今後も期待できると確信していました。
– ありがとうございます。CX-60のご購入の決め手は何だったのでしょうか?
タンカラーの内装ですね。
欧州で発売された時にプレミアムモダンの内装を見て、もう少しインパクトがある内装を期待していたのですが、その後日本仕様にタンカラーがあることが分かって、ぜひ最上級グレードのPHEVを購入したいと、実車を見ずに決めました。
最終的には、営業さんとの良い関係があったことも大きな決断の後押しになりました。
妻に対しても非常に気を配ってくれますし、とても頼りになります。
– PHEVの使い方に関して、ご心配はありませんでしたか?
いろいろ分からないことも多くて、調べるのが大変でした。
一番気になったのは、自宅で充電できるかどうか。
充電設備の工事が必要だったのですが、補助金を踏まえると工事はそれほど高額にならないことも分かり、そこはラッキーでした。
あとは、ウチの経済担当大臣の稟議が通るか心配だったのですが(笑)、車両価格については国の補助金に加えて、都の補助金もあったので非常に助かりました。
私がいくらPHEVを熱く語っても、妻が納得しないと契約できませんから。
– ご納車されて、実際に乗られてみていかがですか?
先日も東京から奈良へ行ってきたのですが、モーターのパワーって凄いですね!
高速道路でスポーツモードで加速すると、あっという間にスピードが出ます。
マツダらしい人馬一体感を期待していましたが、結果は期待以上でした。
これぞマツダの「Be a driver.」だなと思いましたし、運転がこれほどまでに楽しく感じられるのも、PHEVならではの醍醐味だと思います。
一方、自宅周辺ではほとんどEVモードで、バッテリーが終わった時だけガソリンで走る程度です。
静粛性も非常に高いですね。
モーター走行時はもちろん、エンジンに切り替わった際もディスプレイを見るまで分からないくらい静かです。
クラシックやジャズをよく聞くのですが、BOSEの12スピーカーも、アテンザの時より低音がよく出ています。
自分好みに高音をやや上げると、ピアノやバイオリンの音がきれいに聴こえるようになり、とても気に入っています。
CX-60には、進化したマツダ・ハーモニック・アコースティックスとBOSEの設定があります
少し驚いたのは、自宅外で充電する時の費用です。
実際ユーザーになってみないと分からない部分ですが、自宅充電並みの金額で充電できる場所はほんの一部で、道の駅や高速道路では気軽に使おうと思える値段ではありません。
なかには、利用者が増えず赤字のまま閉じてしまう充電スタンドもあると聞きます。
こうした新しいライフスタイルが広がっていくためには、インフラを作ったあともビジネスとして成り立つよう国や自治体のサポートが必要ではないかと感じています。
将来的には、宿泊先などで充電できたりするようになると思いますが、もし旅先のマツダディーラーでも充電させてもらえたら非常に有難いですね。
– これからやってみたいことや行ってみたい場所はありますか?
コロナ禍で、国内旅行に目が向くようになりましたので、お気に入りの奈良や、自然と触れ合える北海道などに、ぜひCX-60で旅したいですね。
高速ではガソリン走行でスポーティーな運転をして、自然あふれる場所に着いたらEVモードに切り替えて優しく走る…そんな自由気ままな旅をとことん楽しみたいです。
マツダの本社のある広島にもぜひ一度行ってみたいです。
まだ納車から1カ月も経っていませんが、もっと運転したい、出かけたいという気持ちがどんどん高まっていく毎日です。
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CX-60のPHEVをご購入いただいたお客さまのオーナーズボイス、いかがでしたでしょうか。
「マツダが挑むマルチソリューション(前編・後編)」と合わせてご覧いただけましたら嬉しいです。
■関連リンク
・MAZDA CX-60 e-SKYACTIV PHEV(オフィシャル車種サイト)
・MAZDA CX-60 e-SKYACTIV PHEV(公式YouTube)
・Introducing the MAZDA CX-60(公式YouTube)
・”音響の魔術師”若松功二に聞くCX-60の音の世界(開発者インタビュー)