MAZDA BLOG
2014.12.3

クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D1.5」が生み出される舞台。そこには「夢のエンジン」にかける若手エンジニアの熱い想いがありました。

ディーゼルエンジン車に乗られたことはありますか?

「CX-5」「アテンザ」「アクセラ」「デミオ」・・・おかげさまでマツダのクリーンディーゼルエンジン車は多くの皆様にご愛顧いただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。10月には、新開発小排気量クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D1.5」をマツダ初搭載した新型デミオが、栄えある「2014-2015年次日本カーオブザイヤー」をいただくことができました。皆様の応援のおかげです。本当に、ありがとうございます!

20141127_01a20141127_01b

 

デミオに搭載している「SKYACTIV-D1.5」は、2.5Lガソリンエンジン並みの圧倒的トルク+遠くへ足を延ばしたくなる優れた燃費性能+DPF以外の後処理装置を必要としない優れた環境性能の両立を実現。コンパクトカーでも“走る歓び”を追求したいという熱い想いのもと、マツダグループをあげて開発・生産を実現したエンジンなんです。

20141127_01c

 

そんな「SKYACTIV-D1.5」を生産している地元広島・マツダ本社工場。ここ、エンジン組立ラインは直列4気筒のSKYACTIV-DやSKYACTIV-Gの他にV型6気筒エンジンも生産している混流生産の工場です。

20141127_01e20141127_01h

これまで、数々のエンジン量産で培われてきた知恵/工夫/技術/技能のDNAの結晶。それがSKYACTIV-D1.5なのです!

SKYACTIV-D1.5エンジンの構成部品は約200点にも及びます。このエンジンに携わるメンバー全員が部品の機能や構造を深く理解し、訓練を重ね、「これなら乗ってくださるお客様に満足してもらえる」という自信を持って、一台一台丁寧に造り込んでいます。

20141127_01i20141127_01j

20141127_01k

 

できあがったエンジンは、最終チェックはもちろん、組み立てる途中の工程においても綿密な品質確認を繰り返し行います。エンジンの機械抵抗や燃焼室圧力・音・振動など300項目以上の特性を、1台1台丹念に計測して、100%OKが出たものだけが次の工程にすすむことができるのです。

このような、エンジンの機能を保証する工程を「インプロセステスト(製造工程内テスト)」といいます。お客さまにとって大切な一台、走る歓びをご提供したいという願いをこめて品質を保証すると共に、微細な解析や分析による高い精度のプロセス改善を続けています。

20141127_01l20141127_01mm

 

「インプロセステスト」のもうひとつの役割。それは、「新エンジン開発の共創」!

次世代のエンジン開発・生産に向けて、ここで得られたデータをもとに開発(部門)と生産(部門)が一体となってより高い次元のエンジンを生み出す活動を、マツダでは行っています。

走りも燃費もよく、しかも1.5Lという小排気量の小さなディーゼルエンジンを造ることは、マツダでも国内メーカーでも初めてのこと。エンジンの作り方、インプロセステストの設定いずれも極めて難易度が高いチャレンジでした。しかし「お客様によいものをお届けしたい!常識の向こう側をみたい!」そんな願いのもと実現。そこには、インプロセステストとさらなる内燃機関の革新を究めたいと願うエンジニアたちの努力と決してあきらめない姿がありました。

20141127_01nn

 

その一人、マツダ本社工場エンジン組立ラインで品質を担当している西村朋晃さん。
西村さんは2007年入社。ロータリーエンジン、V型6気筒エンジン組立を経て2011年からSKYACTIVエンジン組立の品質担当として高い燃費と出力性能を1台1台100%保証する役割を担っています。

「私のこだわりは、“お客様に最高品質のエンジンをお届けすること”。インプロセステストでの管理値設定や検証はとても責任重大です。量産開始前には100を超えるテストモードで検証を繰り返し、計測技術の確立と管理値の決定を行ってきました。」と西村さん。

20141127_01o

 

工場内の温度が1℃変化するだけで部品の形状は2~3ミクロン変化するといわれます。

「しかしお客様のために100%安定した品質のエンジンをお届けしなくてはならない。どうすれば温度の影響を無くし正確な計測ができるのか。私たち製造エンジニアと関係部門が協力し、独創的な発想で挑戦し続けた結果、極めて微細な温度変化対応ができるようになりました。」

「SKYACTIVエンジンとインプロセステストは、共に進化し続けています。インプロセステストは、日々生産される1,500台を超える全てのエンジンの特性を自動で計測しています。このデータはさらなるエンジン性能向上のヒント、宝の山だと私は考えています。これらのデータと“燃費”の関係を分析することで、さらなる燃費向上ができると考えて、日々研究を重ねています。まだ道半ばですが、これからもエンジンの品質保証をベースとした性能向上の道を極めていきます。」

20141127_01p

 

そんな西村さんの趣味は? それは山登り!

「登山には統一のルールがなく、一人ひとりがルールを作って頂上を目指します。山の頂上には、人をそこに向かわせる自然な魅力があります。仕事も同じ。誰もやっていないようなこと、見たことのない景色をめざしてこつこつやるのが楽しいんです。」

20141127_01q20141127_01r

 

「仕事では、強く前に出るのがいいことだと思っていた時期もありますが、今は働く皆が楽しいと感じること、色々な人がひとつの方向に向かっていく大切さを感じています。私は、職場で元気をもらうことが本当に多い。上司の礒辺さんに感謝しているし、そんな人になりたいと思っています。」

礒辺さん(写真右)からは、「彼は見た目クールだが、頭の中も筋肉かと思うくらいの行動派。探究心が高く、周囲の信頼も厚い。真面目にやっている姿はどこか微笑ましくもある。不思議なんですけどね(笑)」。厳しくも温かい、絶妙な師弟関係が垣間見えます。

20141127_01s20141127_01t

 

そんな西村さんにとって、夢のエンジンとは?じっと考えた末、こう語ってくれました。

「熱効率100%の究極のエンジンです。まだ見ぬ“夢のエンジン”をお客様にお届けしたい。入社から8年経っても、いまだに色々な発見があります。夢のエンジンに挑戦するという高い志を持ち、組付方法の改善、新技術開発などをひとつずつ着実にやっていきます。」

20141127_01u

 

”山登りは、5合目ぐらいの登っている最中が楽しいんです。一つの山に登っても別のルートに挑戦したり、新しい山に登ったり。いろんな山登りに挑戦したい。”という西村さんの、「夢のエンジン」へのチャレンジはまだまだ続きそうです^^

20141127_01v

 

クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D1.5」が生み出される舞台と「夢のエンジン」にかける熱い想い、いかがでしたか?

SKYACTIV-D1.5をわかりやすくご紹介した技術動画です。こちらも是非ご覧下さいね。

20141127_01w
また、公式ブログでは、知られざるディーゼルエンジンのメリットを様々な角度からご紹介していますので、こちらもご覧くださいね。
▲知っていますか?ディーゼルエンジンのこんなメリット!
https://blog.mazda.com/archive/20130411_01.html

カテゴリー:ストーリー