多くの人と育んだ絆こそわたしの勲章~若き挑戦者、最後の「技能五輪全国大会」
第52回技能五輪全国大会が昨年11月末に愛知県で開催されました。この大会では、次世代の日本の技術力を支える若者(原則23歳以下)が日本一の技能者を目指し競い合います。マツダからは、4職種(曲げ板金、旋盤、車体塗装、自動車板金)に広島県・山口県代表選手として9名が出場しました。
その一人が「車体塗装」職種の坂本遥加さん。19歳から3年間、日本一に挑戦し続けた坂本さんの技能五輪を振り返ります。
坂本さんは、2012年にマツダ防府工場へ入社後、技能五輪育成選手に選ばれました。技能五輪全国大会出場は今回で2回目の挑戦です。
「入社当時、色の変化もわからないほど車体塗装の知識も技能もありませんでした。2012年6月、選抜選手に選ばれた日から日本一を目指し、自分の苦手な色、濃さや性質が見えるようになるまで車体塗装の専門知識を学び、そして技能を研鑽し続けてきました。
練習を重ねながら、『センスがないと思うなら、その分人の何倍も努力すればいい』と先輩に言われた言葉を思い出しながら自分自身とも闘った末、全国大会に臨みました。」
(上左写真:入社当時の坂本さん、上右写真:入社当時の技能五輪選抜メンバーと監督)
そして迎えた全国大会当日。
「悩んだり落ち込んだ時、時には厳しく、時には優しく背中を押してくれ、前に進む勇気を与えてくれた監督の筏津(いかだつ)さん。全国大会当日はプレッシャーでいっぱいの私たちをリラックスさせてくれ、どんな状況でも君たちを信じていると勇気づけてくれました。」
「いつも競技課題の作業を懇切丁寧に教えてくれた小島先輩(下左写真)。技能五輪経験者として、そして同じ女性として励ましサポートしてくれました。そして、競技スタート直前の緊張で押し潰されそうなとき、お互い頑張ろう!とガッツポーズで合図を送り合い、平常心を取り戻させてくれたチームメンバー(下右写真)。」
「『モノ造り』の精神や奥深さを教えてくださり、大会中も傍で温かく見守って下さった上司の皆さん。熱い応援を寄せ書きに託して、たくさんの元気をくれた職場の皆さん。そして、毎年応援に駆け付けてくれた母も、私以上に緊張しながらも優しく見届けてくれました。」
「大会中うまくいかない作業がありすごく焦りました。でも、絶対に最後まで諦めない!と気持ちを切り替え、粘り強く課題に取り組みことができました。全ての競技を終え、自分の力を出し切れた達成感で悔いのない大会にする事ができました。」
そして緊張の結果発表。坂本さんは、見事銅メダルを獲得しました!
「振り返ると、技能・技術の向上はもちろんですが、人としての考え方や自分に自信を持てた価値ある3年間でした。頑張る日々の中、体調を崩す日もありまし た。プレッシャーに耐えられず涙を流す日もありました。それでも頑張ってこれたのは、いつも励まし暖かく見守ってくれた仲間、監督、家族のお陰です。技能 五輪で日本一を目指す挑戦は終わりましたが、技能五輪を通してたくさんの人と出会い、繋がりを持ち育んだ絆こそが私の一番の勲章です。」
坂本さんは2月から本社工場塗装工場へ復帰します。
「車造りでは一からのスタートなので初心を忘れずに、そして、職場のみなさんとの絆も大切にしたいと思っています。お客様に感動をお届けできる商品づくりに妥協することなく技能を磨き続け頑張ります!」と最高の笑顔で話をしてくれました。
坂本さんこれからも頑張って!
(上右写真:左から、曲げ板金職種で銀メダルを受賞した只重(ただしげ)さん、坂本さん、 曲げ板金職種で金メダルを受賞した藤島(ふじしま)さん)
公式ブログでは、この他にも技能五輪で切磋琢磨する若手社員をご紹介しています。
▼マツダ、第40回技能五輪国際大会で2回連続金メダルを獲得(マツダ公式ウェブサイト)
http://www.mazda.com/jp/publicity/release/2009/200909/090907a.html
▼「技能五輪全国大会」金メダリストの素顔にズームイン!(マツダ公式ブログ)
https://blog.mazda.com/archive/20130109_01.html
最後に、車体塗装についての動画をご紹介します^^ ご覧ください。(中央職業能力開発協会制作)