MAZDA BLOG
2015.5.22

「第65回自動車技術会賞」において、「技術開発賞」などを受賞しました。

「第65回自動車技術会賞」において、公益社団法人自動車技術会より、「技術開発賞」「論文賞」「浅原賞技術功労賞」を、マツダの技術者が受賞いたしました。
「自動車技術会賞」とは、1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展の奨励を目的に設けられました。自動車技術における多大な貢献・功績を認められた 個人に贈られます。このたび受賞いただきました3件について、ご紹介します。

20150522_01a

 

■技術開発賞

まずは、「技術開発賞」をいただいた、高効率オートマチックトランスミッションSKYACTIV-DRIVE(スカイアクティブ・ドライブ)開発における「走る歓びと環境性能を両立する新型オートマチックトランスミッション」。パワートレイン開発本部の土井 淳一(どい じゅんいち)、丸末 敏久まるすえ としひさ)、鎌田 真也(かまだ しんや)、坂 時存(さか ときもり)、そして、マツダ統合制御システム開発本部の三谷 明弘(みたに あきひろ)が受賞しました。

受賞理由としてこのようなコメントをいただきました。
「『高い伝達効率』『ダイレクト感』『スムーズで力強い発進』を満足するトランスミッションの開発は市場から継続的に求められている。
本自動変速機 は、トルクコンバータの発進直後からのロックアップ実現を狙い、最大の課題であった振動問題を解決するため、ねじりダンパーの低剛性化とロックアップク ラッチの制御精度と耐久性の向上を実施した。
また、機構構成要素の抵抗低減技術、高応答かつ高精度の変速制御を可能にするメカトロニクスモジュール、モデ ルベース制御の採用等を行った。こうした技術開発は動力伝達系技術の進歩発展に貢献するものと高く評価される。」

SKYACTIV(スカイアクティブ)技術が「技術開発賞」を受賞するのは、「SKYACTIV-G (スカイアクティブ・ジー)」「SKYACTIV-D(スカイアクティブ・ディー)」に続いて3回目。また、今回の受賞により、SKYACTIV技術およびその技術を搭載したクルマに対する国内外の主要な賞は通算200件となりました。(マツダ調べ)

20150522_01l20150522_01m

 

■論文賞

「論文賞」は、新世代クリーンディーゼルエンジンSKYACTIV-D(スカイアクティブ・ディー)の予混合型燃焼の研究、および人の視覚特性の分析によるワイパー払拭に関する研究において、2件受賞しました。

1件目は、「予混合型ディーゼル燃焼による排気と燃費の低減-モデルベース着火時期制御と多段噴射によるロバスト性の改善」。パワートレイン開発本部の志茂 大輔(しも だいすけ)、角田 良枝(かくだ よしえ)、 金 尚奎(きむ さんぎゅ)、丸山 慶士(まるやま けいじ)、鐵野 雅之(てつの まさゆき)が受賞。

受賞理由として下記コメントをいただきました。
「予混合型ディーゼル燃焼は、NOxとすすを大幅に低減することが可能であるが、一方では燃焼音の増大や未燃損失による燃費の悪化、また、過渡運転 時には着火時期の不安定性に起因する燃焼変動などが課題であった。本研究では、これらに対応するため、低圧縮比と高性能ピエゾ駆動式インジェクターによる 近接多段噴射を用いて、適度に不均一化された予混合気を形成することで、燃焼音と燃費の改善を実現した。
さらに物理モデルに基づいた着火遅れの予測式に、 噴霧混合気形成に関わる諸因子を入力項として追加し、着火遅れを精度良く予測するモデルを構築した。この着火遅れモデルによる着火時期制御システムを用い ることで、過渡運転時に安定した燃焼制御を実現した。これらの技術によって低エミッションと低燃費を実現したことは高く評価される。」

20150522_01n20150522_01o

そして「論文賞」の2件目は「人の視覚特性の分析によるワイパーの払拭欲求発生要因の解明と払拭特性の考察」。技術研究所の岩瀬 耕二(いわせ こうじ)、新部 忠幸(にいべ ただゆき)、松岡 悟(まつおか さとる)が受賞しました。

受賞理由として下記コメントをいただきました。
「運転時の視界は雨滴の付着で大きく悪化し、安全・快適な走行を実現するにはオートワイパーのような補助装置が有効であり、これらの設計にはドライ バーの感覚特性や心理特性に適合させる必要がある。本論文では、ドライバーの払拭欲求発生の要因分析と実車検証から影響因子の寄与度を評価し、従来の雨滴 の付着率、車速、周囲の明るさだけでなく、雨滴の単位時間当たりの付着個数、大きさ、付着位置の判定が重要であることを定量的に明らかにしている。
さらに、視覚特性との関係を調べ、払拭欲求の発生は視覚刺激への注意の引付によって発生し、雨滴に注意が引き付けられると周辺視野における認知反応が遅れるこ とを明らかにしている。これらの知見は安全・快適なオートワイパーの設計に寄与するだけでなく、ドライバーの注意状態に合わせた新たな情報提供方法の開発 などに貢献するもので高く評価される。」

20150522_01f20150522_01g

 

■浅原賞技術功労賞

そして最後は「浅原賞技術功労賞」。車体構造の振動・音響伝達に関する研究における「軽量高性能な車体構造の研究開発に関する永年の功績」において、総務・法務部の杉原 毅(すぎはら つよし)が受賞しました。

受賞理由として下記コメントをいただきました。
「受賞者は、30年余にわたって自動車の車体構造の研究開発に従事してきた。中でも、振動や騒音に関わる計算解析技術や、構造最適化技術、NVH(エヌ・ブイ・エイチ、Noise Vibration Harshness)性能に関連する振動現象、特に音響現象の解明に重点的に取り組み、軽量化と車体振動伝達の低減の両立構造の開発を実現した。また、国内外の発表を通じて、世界の車体構造、NVH技術の進展に大きく寄与した。」

20150522_01p20150522_01q

 

今後もマツダは、「走る歓び」と「優れた環境安全性能」の両立を目指した技術開発を進め、お客さまの人生をより豊かにし、お客さまとの間に特別な絆を持ったブランドになることを目指してまいります。

■公益社団法人 自動車技術会のウェブサイト
http://www.jsae.or.jp

■新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」
https://www.mazda.com/ja/archives/skyactiv/

■マツダ技報
http://www.mazda.com/ja/innovation/technology/gihou/

詳しくは、ニュースリリースをご覧ください。
▲第65回 自動車技術会賞受賞について(マツダオフィシャルウェブサイト)
http://www2.mazda.com/ja/publicity/release/2015/201505/150521a.html

20150522_01k

カテゴリー:イベント