【インタビュー】デミオ特別仕様車Noble Crimsonに込めた想い、こだわりとは?カラーデザイナーが語ります。
2017年12月7日より販売開始した、デミオの特別仕様車「Noble Crimson」(以下ノーブルクリムゾン)。
艶やかな深紅色のシートを中心に軽やかな白とコーディネートした専用インテリアや、専用ボディカラー「セラミックメタリック」を採用しています。
そのデザインに込めた想い、こだわりを、カラー&トリムのデザイナー寺島佑紀が語ります。
「昨今、みんなクルマを買わないといった声を聞くこともありますが、そうではなくて、好きなモノ、欲しいと感じたモノにはお金を払うという傾向があると思うんです。お客様に商品を『所有したい』という気持ちを持っていただく、つまり所有欲を満たすモノをつくり出すことが大切だと考えています。」
「ノーブルクリムゾンは、エクステリアをセラミックメタリック、インテリアに深紅をメインに使用することで、『白と赤』のコントラストを出しながら、上質で華やかな印象を与えられるようにデザインしました。
セラミックメタリックと高輝度塗装のアルミホイールの外観がぱっと見て明るい印象で、ドアを開けるとシートの真紅色が視界に飛び込んでくる。インパネからドアの内側までは白で統一していて、非常に明快でスカッと抜けの良いインテリアを感じていただけると思います。」
クルマは人によって乗る機会が多く、長い間所有するもの。
だからこそ、単調に見えない、飽きのこないデザインを目指して
「特別仕様車の特徴の一つがファブリックで仕上げたシートです。ファブリック(織物)は糸から染めることができて好きな柄にできる。様々な色の糸を混ぜて織り込むことによって、単調に見えず、深さを感じる上質なものにしたいという想いがありました。
また、ファッション業界でも使われていて、織りだからこそ表現できる『千鳥格子』に着目し、生地にはファッショナブルさを出すために千鳥格子のパターンをほどこしています。
その中で、車名にもなっている『クリムゾン=深紅』をシートの色で表現することには試行錯誤しました。
赤色をそのまま深くしていくと濁って茶色くなってしまうのです。そこで、少し紫寄りに色をチューニングしました。これにより、深い赤でも鮮やかで華やかな印象を与えています。また、今回採用した千鳥格子のパターンは織りの伝統的な柄の一種で、西洋でもハウンドトゥース(猟犬の牙)の名前で認知されている世界的な柄です。大学でテキスタイルデザイン(布地・織物のデザイン)を勉強していたこともあって、織りにはこだわりを持っています。シートは日常的に触れるものなので、ぜひ実際に触って感じていただきたいですね。
もう一つの特徴はインパネの加飾です。インパネデコレーションパネル(助手席)をシボ打ちをしていて、光が当たるとシートと同じ千鳥格子柄をご覧いただけます。
通常、シボは傷つき防止の役割ですが、今回はデミオらしい遊び心、ファッショナブルさを入れたいという想いから、単なるシボではなくて千鳥格子柄を使用しています。また、シートと同じ柄を取り入れることで、車内のインテリアを調和させ、統一感を出す効果もあります。」
所有欲を満たす、
大切なのは自分のクルマに愛着を持ってもらうこと
「ノーブルクリムゾンは、離れて見たときはエクステリアの白とインテリアの赤で、明快なコントラストが印象的で、大胆でシンプル。けれども近くで見ると、実はインパネにシボが施されていたり、シートのファブリックにも複雑な織りや色が混ざっている。時間が経つにつれて、徐々に気づき、愛着がわくような、そんな気持ちになってもらえたら嬉しいですね。
購入された後、1年経っても2年経っても買って良かったな、とお客様に感じていただきたい。それは所有欲を満たせているということ。そんなクルマを目指して、日々デザインに取り組んでいます」
今回ご紹介したデミオの特別仕様車「ノーブルクリムゾン」。
実車をみていただく機会がありましたら、ぜひデザイナーこだわりのポイントに注目してみてください。
■デミオ特別仕様車 Noble Crimson(ノーブルクリムゾン)
https://newsroom.mazda.com/ja/publicity/release/2017/201711/171109a.html