MAZDA BLOG
2017.12.26

【潜入取材】マツダ冬季自動車試験場、過酷なテストを重ねる現場に迫ります。

すっかり寒くなりましたね。

皆さんのお住まいの地域では、もう雪は降っていますか?

 

雪景色は美しくて心を奪われますが、雪道でのクルマの運転となると、心配な方もいらっしゃるかもしれません。

同じ雪でも、粉雪、吹雪、溶けたシャーベット状の雪など、様々な表情がありますよね。

 

 

 

“いかなる路面に遭遇しても、お客さまに安全で快適に走行していただきたい”

この想いのもと、北海道剣淵試験場では、冬期の1月から2月まで耐寒試験を行っています。

 

前回ブログでは、「質の高い冬季試験場をつくるには?!」をご紹介しましたが、今回は、冬季試験場で「どんなテストが行われているか」をご紹介します!

 

 

 

百聞は一見にしかず!

北海道剣淵試験場で行われているテストを動画と共にご覧ください。

 

 

 

耐寒テスト その① 雪の影響を確かめるテスト(直線試験路)

はじめにご紹介するのは、直線路での走行のテスト。

ブレーキの隙間に雪が入り込んで詰まってしまい、ブレーキが効かない……そんなことがあっては困りますよね。“最も不利な条件”を定めて何度もテストを繰り返し評価することで、雪に負けないクルマを育てます。

 

 

直線路では自動車の走行性能や安全機能についてのテストも行います。ドライバーの危険予測や回避操作のアシストで事故の未然防止をサポートするアクティブセーフティの各制御の評価などがその一例です。

 

テストのたびに、走り方や路面の状態が変動しては正確な評価ができません。そのため、“真っ直ぐで平らな試験路”が必要となります。これを“雪道職人たちが造り出しているのです。

 

“雪道職人”についてはこちら

 

 

 

 

 

耐寒テスト その② ハンドリングテスト(林道を活かした試験路) 

次に紹介するのはハンドリングのテスト。緩急のカーブやアップダウンのある試験路でテストを行います。

 

直線試験路が人工的な試験路であるのとは対照的に、こちらの試験路は、雪の無い季節は地元の方、キツネや鹿、おそらくは熊も生活に使う道なんです!

 

未舗装の本物の林道に降り積もった雪を除雪と圧雪だけ施して、より自然に近い状態を再現。

この自然な状態をつくり出すのも“雪道職人”の絶妙なワザ無くしてはできないのです。

 

 

そして、この微妙にうねった雪道でも、しっかり安定して走れる「ハンドリング性能」を評価しています。

 

元が未舗装でうねうねの林道で性能が確保できれば、世界のあらゆる冬道でも性能が発揮できると考えています。

剣淵試験場にはこのような過酷な試験路が複数設けられています。

 

この試験路の中でも、比較的緩やかな試験路での走行の様子を、動画でご紹介します。

こちらの動画では、ハンドリングテストの一部でG-ベクタリング コントロール(以下、GVC)ほかの車両運動制御のテストを行っています。

 

圧雪路面の上に10㎝弱の新雪が積もっていてかなり走り難い条件ですが、GVCが適切に制御することでドライバーのイメージ通りのコーナリングを実現。激しく雪をかき出して走っているのはタイヤがしっかり路面を捉えているということです。

 

林道を活かしたワインディングの試験路では、GVCの他にもDSC(横滑り防止)制御やAWD制御のテストを行っています。

 

また、輸出仕様向けのオールシーズンタイヤの育成テストを個別に、あるいはそれぞれを複合させた協調性などについてもテストを行っています。

 

 

 

 

耐寒テスト その③ 融雪テスト

 

ここまでのテストは雪が対象でしたが『氷』の評価もします!

 

寒冷地でも日中は気温の上昇に伴って、道路の雪が融けてシャーベット状になります。

 

完全に融けた水であれば跳ねあげても直ぐに流れ落ちますが、シャーベット状だとクルマの下回り(サスペンション部品など)に付着します。それが走行風で冷やされ凍り、そこへまた付着して凍り…。

 

しばらく走っているとタイヤの内側などは氷の塊に覆われ、その氷は磯の岩のようにゴツゴツして硬くなることも。

 

仮に、タイヤの内側に大きく硬い岩状の氷の塊が挟まっていることを知らずにハンドルを切ってしまったら、、、怖いですよね。

そんなことを防ぐために、融雪試験でしっかり検証を行っているのです。

 

こちらの動画は、融雪試験路を走行する風景です。前輪、タイヤの後ろにご注目ください。

 

まるで“かき氷機”が勢いよく氷を削り出すかのようにシャーベット状の融雪を掻き出しています。クルマの下回りには勢いと量で融雪が浴びせられているんですね。

 

この融雪路を規定周回走行した後、氷点下30℃にも達する屋外で一晩ジ~ッと放置して下回りに付いたシャーベットをガチガチの氷の塊にします。

 

一晩を明かしたテスト車、北海道の皆さんが言うならなまらしばれた!でしょうか(笑)
※なまら(とても)しばれた(冷えて凍えた)

 


(左:下回りを保護するアンダーカバー(樹脂製)の損傷をチェックする様子、右:ブレーキパーツ周辺への氷の影響や損傷をチェックする様子)

 

 

ちなみに、これらのチェック作業を暖かいガレージで行うと瞬く間に氷が融けてしまうため、氷が融けないギリギリの室温の下で作業を行います。

 

そしてこのテスト最大の難関、それは氷落としの作業です。

氷表面は直ぐに融け始めますが金属部品に氷結する部分は中々融けません。そのため、ノミとハンマーでひとつずつ砕いて落とす作業を経て、次のテストに備えます。

 

 

“雪が積もる季節にも、お客さまに安全で快適に走行していただきたい”

 

マツダのエンジニアは、試験場で実際に体験した経験が、お客様に直結しているという強い責任感をいつも持ち続けています。今回ご紹介したテストは、ほんの一部です。寒冷地のお客様に安全なドライブを提供したい、そんな想いで、クルマの品質を徹底的に検証しているのです。

 

走る歓びを追求するマツダの想いが、新世代4WDシステム、i-ACTIV AWDGVCなどを誕生させました。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

過去の北海道剣淵町に関する記事は、こちらもご覧ください。

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カテゴリー:ストーリー