若き選手の挑戦に密着 –技能五輪全国大会–
先月行われた、次世代を担う青年技能者の日本一を競う「第 60 回技能五輪全国大会(以下、技能五輪)」に臨んだ社員のストーリーをご紹介します。
写真の山本 力(やまもと ちから)さんが挑戦したのは「自動車板金」
平らな金属板を多種多様なハンマーで成形し、溶接して組立てる技能です。
図面で指示された寸法や形状の精度、外観の美しさを競います。
山本 力さん | 今大会の課題(見本) |
山本 力さんにとって、今大会はで2度目の挑戦です。
初参加の昨年の大会は、山本さんにとっては悔いの残る結果でした。
つい力が入り加工しすぎて割れが生じてしまったことで15点の減点。
それさえなければ賞も狙える点数でした。
この競技は、訓練から本番まで選手とコーチが一緒に取り組みます。
コーチにあたる田中 薫(たなか かおる)さんと吉田 海人(よしだ かいと)さんは、昨年は選手として金賞・銀賞を受賞。技能のアドバイスだけでなく、時には通しの訓練で一緒に競ってくれるなど、気持ち的にも良い刺激の機会を作ってくれる頼りになる先輩です。
今年度は割れないように加工すること、また外観精度を上げ、
寸法を正確にとっていくことぶ重点を置き訓練をしました。
加工スピードが上がり、その分最終確認に費やす時間を増やすことができるようになりました。
左から、田中さん、吉田さん
指導にも力が入ります
左が前回、右が今回の山本さんです 1年間の成長を発揮させます
技能五輪での様子
しかし、結果は残念ながら入賞ならず。
大会後の山本さんは次のように語りました。
「いつも通りの加工ができなかった箇所があり、それを直しきれず最後まで引きずってしまいました。賞をとれずコーチには申し訳ない思いですが、最後まで自分なりにこだわりを持って造ることができたことは良かったと感じています。これから現場に配属されるまでの2カ月間で私が持っている技能などを後輩に伝えて、次回の技能五輪で頑張ってほしいと思います。私自身はこれまで日本一を目指して日々訓練してきたという経験を今後に活かしていきたいです」
コーチからもひと言もらいました。
「山本さんは普段あまり感情を表に出さないタイプですが、去年の大会後は悔し涙を流していて、それだけ熱い想いで臨んでいたんだなと感じていました。そこから気持ちを切り替えて訓練に励み、最上級生として能動的に動いてくれるなど、この1年間の成長を強く感じています。」
今回の技能五輪では、マツダグループからは山本さん含め、
「⾃動⾞板⾦」「曲げ板⾦」「⾞体塗装」「旋盤」「メカトロニクス」「機械組⽴て」の6職種に16名が参加。
その中で曲げ板金で川村 康太(かわむら こうた)さんが銅賞、
車体塗装で田尾 匠永(たお しょうえい)さんが銅賞、
宮原 倖太(みやはら こうた)さんが敢闘賞を獲得しました!
(写真左から)川村さん、田尾さん、宮原さん
技能五輪に挑む選手たちにとって、大会で良い成績をおさめることだけが目標ではありません。
挑戦の経験や培った技能・技術を生かして、クルマ造りをリードする人材に成長し続けていくことが本当のゴールであり、
技能五輪大会はその通過点でもあります。
各競技で、選手同士、選手とコーチ間でお互いを高め合いながら経験を積み、技能伝承が行われていきます。
マツダは、これからも高品質なクルマづくりを実現して、世界中のお客さまに愛される商品、技術、サービスをお届けすることで、
お客さまと特別な絆で結ばれたブランドになることを目指しつづけます。