マツダ折り鶴プロジェクト2021 ~文化の違いを乗り越え、平和への祈りを届ける~
マツダは、今年も海外の仲間たちと協力して、『折り鶴プロジェクト』に取り組んでいます。
プロジェクトの発端は、昨年。
マツダの本社がある広島県には、世界平和への祈りを捧げる場所として平和記念公園(広島市中区)がありますが、新型コロナウイルス感染症の流行により、広島を訪れる観光客や修学旅行生が激減し、平和記念公園の『原爆の子の像』に寄せられる折り鶴の数が大幅に減っていました。
昨年の寄贈セレモニーの様子
この話を受け、昨年マツダでは社員で折り鶴を届けようとする自主的な活動が発足。広島本社の社員を中心に集めた折り鶴を平和記念式典で寄贈しました。これをきっかけにマツダは『折り鶴プロジェクト』を立ち上げ、世界の販売会社にも協力を呼びかけ合計33,000羽の折り鶴を広島市に寄付しました。
昨年のプロジェクトの様子はこちらからご覧ください。⇒https://blog.mazda.com/archive/20201209_01.html
世界の仲間とともに、平和への想いを届ける『折り鶴プロジェクト』。
今年もこのプロジェクトを継続しており、広島本社でも折り鶴の寄贈を社員に呼びかけるとともに、 世界の販売会社に声をかけ、7か国1地域から、現在たくさんの折り鶴が届いています。
また今年は、昨年からの参加国に加え、台湾の販売会社が新たに参加してくれました。
台湾のメンバーが折り鶴を折る様子
『紙紮』と日本のおりがみ
台湾では、このプロジェクトに参加にあたり、乗り越えなければならない『文化の違い』がありました。
実は台湾にも、『紙紮』(Zhi-za)と呼ばれる紙細工※が存在します。
紙紮とは、生活に必要な家や車などを紙細工にして葬儀の時に燃やす時に用いられるもので、あの世の生活も潤ったものになるという言い伝えがあります。この習慣ゆえに、紙で作る折り鶴に対して日本とは違った受け止め方をされていたのです。
※紙紮とは竹で作った骨組に紙を貼って、家や車、馬車、人形、日用品などを作る台湾の伝統工芸の一種です。
この文化の違いを知り、マツダのプロジェクトメンバーは台湾での活動はあきらめかけていました。
しかし、現地販売会社のメンバー が、マツダでグローバルに行われている『折り鶴プロジェクト』に、なんとか参加出来ないかと考え、販売代理店のセールス・サービス教育の一環で、広島の歴史を学ぶ機会として、折り鶴を折る活動を紹介してくれたことで実現しました。
販売店でもお客さまと一緒に折り鶴を折りました。
台湾での折り鶴プロジェクトを統括したMazda Motor Taiwan Co.LtdのAllen Shen氏に話を聞きました。
「折り鶴は、日本では健康や平和への願いをあらわすものであり、より良い未来を祈る世界中の人々を結びつけるシンボルでもあります。 そのため折り鶴プロジェクトは、参加する意義のある活動だと思いました。
台湾では紙細工といえば『紙紮』をイメージさせます。まずメンバーにこのプロジェクトの意味を理解してもらうため、広島におけるマツダとその歴史的な関わり、折り鶴が平和と健康の象徴であること、我々が参加することが広島にとってどれだけ意義深いことかを説明しました。
私自身も、この折り鶴プロジェクトを通じて、広島とマツダのつながりを深く感じることが出来ました」
プロジェクトに参加してくれた台湾のメンバーからも、こんな感想が寄せられました。
「世界的なパンデミックを経験して、私たちは、平和や健康でいることの尊さを今までよりも強く感じるようになったように思います。この折り鶴プロジェクトを通じて、近い将来、パンデミックを乗り越え、安全に移動したり、活発に交流出来る日が戻ってくることを願っています。」
こうして、合計2,000羽の折り鶴が台湾より届きました。
そして、こんなメッセージも一緒に送られてきました。
「この美しい地球から全ての争いや憎しみが消え、皆さまが健康と平和で、本当の意味で笑顔溢れる未来を迎えることを心から願っております」
(原文:衷心祈願在這美麗地球上所有的爭鬥與仇恨都能夠被消弭,企盼大家都能夠平安、健康,擁有一個能夠真心流露笑容、充滿喜悅的美好未來)
今年の折り鶴プロジェクトで世界のマツダの仲間から集まった折り鶴は、昨年の数を大きく上回っているため、通年で平和記念公園へ寄贈していくことに。そして8月3日に、一部の折り鶴を、平和記念公園の「原爆の子の像」に寄贈しました。
世界中から飛んできてくれた折り鶴一羽一羽に、マツダの仲間による平和への想いが込められています。
マツダは、今後も国内外の仲間たちと、広島の歴史を共有しながら、平和と健康の象徴である折り鶴プロジェクトを継続していきたいと考えています。