MAZDA公式ブログ
2019.4.11

【社内レストアプロジェクト】赤い「ファミリア」が完成しました!

今回のブログでは、5代目「ファミリア」の社内レストアについてご紹介します。

マツダは、2015年に社内公募制の有志メンバーによる、歴代名車のレストアを行うプロジェクトをスタートしました。歴代名車の復元を通してマツダに伝わる哲学や思想を直接肌で感じ、次世代へ伝承することを目指しています。


発売当時のマツダファミリア

 

同プロジェクトでは、参加するメンバーを社内から公募しながら、第1弾 「コスモスポーツ」、第2弾 「R360クーペ」、第3弾 「ルーチェロータリークーペ」を順に完成させてきました。

このたびのレストア第4弾は、5代目「ファミリア」。1980年に発売された、ファミリアでは初めてのFFモデルで、歴代ファミリアの中で最も生産台数の多かったモデルです。

ファミリアのレストアプロジェクトには、社内の様々な部署から16名のメンバーが参加。新たな部品製作や、代替部品のアドバイスなどでお取引様約60社からの協力もいただきました。また、広島市近郊の工業科を持つ高校と工業専門学校の生徒の皆さまにもレストア作業体験に参加いただきました。

車両は、約10ヵ月かけて修復作業が行われ、今年3月26日に多くの社員が集まるなか、マツダ本社構内でお披露目されました。

 


広島本社でアンベールし、レストアしたファミリアを披露

 


レストアされた赤いファミリアXGを小飼会長と丸本社長がドライブ

 

アンベールされたファミリアは、当時大人気だった「サンライズレッド」と呼ばれる鮮やかな赤色。思わず立ち止まってのぞき込む多くの社員に囲まれました。


「赤いファミリアXG」といえばサーフボードを載せた姿を見たい!?

 

 

「赤いファミリア」の時代 ~ 環境性能と走る楽しさ

1970年代の円高や第2次石油危機といった厳しい環境下で開発され、1980年6月に発売された5代目ファミリアは、ファミリア初のFFモデルとして全方位に力の入った開発が行われました。

 

当時、モノトーンのボディカラーが選ばれていた国内市場に赤い塗装の映える、ガラス面の大きいスタイリッシュなデザインを採用。広い室内空間に加え、さらにクラス初のスライド式サンルーフや、前席のフルフラットシート、後席ラウンジソファシートの採用などの多面的な魅力が当時の若者の熱い視線を集めました。

 

また、排出ガスの大幅な低減を求めた米国マスキー法(※)と同基準の自動車の排出ガスの規制強化が日本国内でも進み、日本の規制値は世界一厳しい水準を求められるようになりました。5代目ファミリアはレシプロエンジンとして、エンジン本体改良と排出ガス対策技術を組み合わせた『マツダ安定燃焼方式』を採用し、当時世界で最も厳しいと言われた昭和53年排出ガス規制に適合させました。

 

排出ガスがクリーンというだけでなく、外観のスポーティなイメージを裏切らない新開発のパワートレインを用意。効率の良さを目指しながら、中低速トルクを向上する4-2-1排気系が、現在のSKYACTIV-Gと同様に採用されています。また、優れたエンジン性能を追求すると共に、足回りも四輪独立懸架とし後輪に採用したマツダ独自の「SSサスペンション」などにより走りの魅力を磨きました。

 

※マスキー法:

1970年にアメリカ連邦議会がマスキー法と呼ばれた排出ガス規制法案を可決。発表された1975年に達成すべき規制値は、多くの自動車メーカーが実施延期を求めたほど厳しい内容で、段階的に規制を強化していくことになります。国内でも同レベルの厳しい法規制が決まり、その実施過程で日本の排出ガス規制が世界一厳しい水準となりました。

1973年に規制対応したマツダ「RX-3」と「RX-4」が米国環境保護局のテストにいち早く合格し、マスキー法に適合。国内では通産省より低公害車優遇税制の適用第1号の指定を受けたルーチェAPを1973年6月に発売しています。

(5代目ファミリア 3ドアハッチバック諸元)
全長×全幅×全高(mm)  3955×1630×1375

車両重量(kg) 820(XG)

 

エンジン諸元

E5型 1500水冷直列4気筒 OHCエンジン(XGに設定されたエンジン)

最高出力85ps/5,500rpm

最大トルク12.3kg-m/3,500rpm

燃費性能(10モード)16.5km/L

 

5代目ファミリア(3ドアハッチバック、サルーン< セダン>、5ドアハッチバック)は、国内販売台数でたびたび月販1位の座を獲得するなど、お客さまから大きな反響をいただきました(1980-83年で通算8回)。1982年に国内では年間19万台超を販売するなど、市場の反響からハイペースで生産が行われ、量産開始から27カ月で単一車種生産累計100万台達成を記録。また、’80-’81「日本カー・オブ・ザ・イヤー」(第1回)や米国「CAR&DRIVER」誌による『もっとも意味深い新車賞』、豪ホイールズ誌の「1980カー・オブ・ザ・イヤー」など、多くの賞も受賞しました。

 

 

1年がかりのレストア作業

今回レストアのベースとなったクルマは、約25万キロを走行し、マツダ社内に長年保管されていた車両。ファミリアのレストアプロジェクトメンバーは、修復作業だけでなく、哲学編として1980年代に大ヒットした「赤いファミリア」の技術に再び光を当て、当時の技術資料や図面や企画書なども調査し、過去開発に携わったOBへの取材も行いました。

 

エンジンやサスペンションが外され、残されたボディは、お取引先さまに残されていた当時の塗料のレシピから再現された「サンライズレッド」色で再塗装されました。「赤いファミリア」のイメージを残した人気のボディカラーです。       

 分解され部品を外されたボディ  修復し、再塗装されたボディ

 

内外装のパーツやエンジン、変速機などをひとつひとつ取り外し、さびや汚れを落し、磨く作業はプロジェクトに体験参加してくれた高校生や専門学校の生徒の方とともに行いました。

各部品の修復は、車両とパワートレインチームに分かれ慎重に作業が進められました。使える部品を見極めて汚れやさびを落していく作業、そして新たに作らなければならない部品を見極める作業を進めていく中で、現在のマツダの開発姿勢につながる、当時の開発者の工夫やノウハウも見えてきました。

5代目ファミリアには前輪駆動を採用しても、足下が狭くならないようなペダル配置の工夫や、サスペンション構造によって最小回転半径を小さくするアイデアなどが織り込まれています。またエンジン燃焼室内の混合気の流れをコントロールして燃焼効率を高める設計にも気づかされることに。現在の設計にもつながるマツダらしさが随所に感じられ、お披露目前に社内で行った報告会でも、社員から改めて共感を集めました。

2018年11月 組み付け前の板金塗装を終えたボディの展示、エンジン組立作業などを社内向けに発表

 

2019年3月  社員向けにレストア完成、まとめ成果報告会を実施

 

磨かれたエアクリーナーカバーの裏にはレストアに関わったメンバー、さらには、参加した高校生のサインも

 

2019年3月 完成お披露目会 (来賓、高校生代表4名、当社役員とレストアプロジェクトメンバーの記念写真)

 

 

レストアプロジェクトについては、開始以来多くの方から暖かいご声援をいただいています。今回レストアしたファミリアも、今後お客さまとの交流イベントなどに展示を検討していきますので機会があればぜひご覧ください!

また、次回レストア第5弾はいよいよ3輪トラックの予定です。これまでで最も古い車両になります。ぜひご期待ください!

 

 

過去のレストアプロジェクトについては、こちらをご覧ください。(公式ブログ)

■【社内レストアプロジェクト】「マツダ ルーチェロータリークーペ」完成!!
https://blog.mazda.com/archive/20180320_01.html

 

■将来のモノ造りを担う地元広島の高校生、ルーチェロータリークーペのレストアを体験!
https://blog.mazda.com/archive/20171011_01.html

 

■【R360クーペ レストアプロジェクト】レストア作業で過去から未来へ志を繋ぐ
https://blog.mazda.com/archive/20170124_02.html

 

■【R360レストアプロジェクト】高校生と共に伝承されるマツダのDNA、モノ造りの奥深さを学ぶ。
https://blog.mazda.com/archive/20161122_01.html

 

■コスモスポーツレストアを通じて肌で感じるマツダの歴史 ~地域一丸となって過去から未来へ繋げる哲学と思想~
https://blog.mazda.com/archive/20160115_01.html

 

■マツダのDNAを伝承!将来のモノ造りを担う高校生がコスモスポーツのレストアを体験
https://blog.mazda.com/archive/20150903_01.html