MAZDA BLOG
2021.2.17

100周年記念モデルカーの製作秘話 ~1/43スケールにこめた想い~

■40車種超の幅広いラインナップ

マツダが創立100周年の節目に、立ち上げたプロジェクトがあります。

「お客さまに、マツダの歴史を身近に感じていただきたい」

その気持ちを、1/43スケールに込めて、100周年記念モデルカーを製作しています。

 

 

その数、40車種超!

マツダの歴代生産車を対象に、歴史的な意義・人気などの観点から点数をつけ、製作車種を決定し、幅広いラインナップを実現しました。今までモデル化されていないマツダ車も含まれています。

2020年6月から、MAZDA COLLECTION ONLINE SHOP(オンラインショップ)、同年8月からは全国のマツダの販売店で順次、販売開始しています。

※先行販売したオンラインショップでは、大変ご好評をいただき、一部商品については在庫なし (再入荷未定)となっております。全国のマツダの販売店を通じてご注文いただけますので、最寄りの販売店に、お電話等でご確認ください。また、お取り寄せに、若干のお時間がかかります事を、予めご了承ください。

 

■自動車メーカーだからこそ、細部まで忠実に
このモデルカーの特長は、細部にまでこだわった高い再現性です。
忠実な再現を目指して、下記3点に取り組みました。

 

① 実車による3Dスキャンを実施 
今回は対象仕様の車両を集め、モデルカー製作メーカー協力のもと、社内にて3Dスキャンを行いました。(通常、モデルカーの製作で、これだけ多くの車種を連続して、3Dスキャンをとることはあまりないそうです)。とにかく「実車が必要!」ということで、社内で保管・展示している車両や社員のクルマはもちろん、最終的には、実際に所有されているお客さまにもご協力をいただき、データを取らせていただきました。

 

左:実車を3D撮影している様子、右:3Dスキャンでとった正確な外装データ

 

② 車種ごとに正確な量産仕様に
市販されているモデルカーは、正確な量産仕様ではない場合も多いのですが、今回のプロジェクトでは、細部まで忠実に再現することにこだわりました。車種ごとに一つの仕様に絞り込み量産仕様を再現※。正確に再現しても、モデルカーと実車のサイズ差もあるため、目に映る印象が変わる時もあります。その場合は、実車や写真から受ける印象を大事にしました。
※基本的には、発売初年の年式、最上級や最量販のグレード、発売時のメインカラーに設定。

 

③ 監修には社内プロフェッショナルが集結
車両の形と色味を完全再現するために、社内横断でマツダ車を知り尽くすメンバーが集結!監修に必要なモノ(カタログや写真素材、広報資料)を揃えました。モデルカーの色味は、経年劣化で変わっていることもあるため、当時の開発で使用したカラー標準板や同時代の他車種と比較しながら、社内のデザイナーとともに色味を検証して再現しました。

         

今回のブログでは40車種超とたくさんあるラインナップの中でも、コスモAPとルーチェSS、マツダ787Bをご紹介!
監修を担った担当者の声とともに、モデルカーに込めた想いと製作の裏側をご一読下さい。

コスモAP

ルーチェSS

マツダ787B

 

 

細部の仕上がりに注目!コスモAP(1975年式)

まずは、コスモAP。
コスモAP(1975年式)は、日本におけるスペシャリティカーの源流とも言える豪華でスポーティーな2ドアクーペです。

 

左:モデルカー、右:当時の実車

 

多くのファンに愛され、さまざまなモデルカーが世の中に売り出されています。
フロントグリルや窓枠、ホイールアーチモールなどの細かいメッキ部品や、インテリアのシート、メーター回りやステアリングホイールの素材感など、外からは見えない部分も再現しています。

 


左:モデルカー、右:当時の実車

 

「タイヤの太さや扁平率、トレッドなど、誇張しすぎた演出にならないよう、ディメンジョン(寸法)には最大限の配慮を行いました」と、広報本部 社史チームの横井。

 

「実車とモデルカーでは、見る時の視点の高さが違うため、単にサイズを縮小させても、実車のイメージにはなりません。そのため、誇張(デフォルメ)や省略が必要ですし、また『小さい』という部品製作上の制約もあるため、モデルカー独特の再現方法を採用しています」とは、シャシー開発部の酒井。
自身もマツダ車のモデルカーコレクターであり、今回の約40車種の監修にあたり、モデルカーの視点から何を優先すべきかを常に意識したといいます。

 

左:広報本部(社史チーム)横井 直人(よこい なおひと)、右:シャシー開発部 酒井 尚史(さかい たかふみ)

 

モデルカーとしては初登場!:ルーチェSS(1969年式)

次は、ルーチェSSのモデルカー。
ルーチェSS(1969年式)は、当時の東洋工業(マツダ)の最上級セダン「ルーチェ」の中でも、ツインキャブを装備したスポーティーなグレードです。

 


左:モデルカー、右:当時の実車

モデルカーとして世の中に出るのは初。通常のグレードとは異なるスポーティーな「顔つき」やレザートップが印象的な一台です。

 

左:モデルカー、右:当時の実車

 

「他のクルマに比べて、圧倒的に検証資料が少なく、社内に残っている当時のカタログは3種類のみでした。そのため、各年式のカタログや広報写真、オーナーの方からお借りした実車をもとに、オリジナルとの相違を一つひとつ照合していきました。ボディカラーの再現では、数年前にルーチェロータリークーペを社内でレストアした時の資料が役立ちました。両車はアイガーホワイトという同じ色を使用しています。」と、広報本部 社史チームの新部。

 

左:広報本部(社史チーム)新部 哲郎(にいべ てつお)、 右:1969年型SSのカタログ

 

優勝車両を忠実に再現!:マツダ787B(1991年)

そして、マツダ787Bのモデルカー。

マツダ787Bは、1991年、日本車として初めてル・マン総合優勝を達成したレーシングカーです。
実は、マツダ787 Bといっても、予選と決勝や、走るコースによって仕様も異なります。

 

 

「今回のモデルカーを製作するにあたり、マツダにとって歴史的な瞬間、総合優勝した時の仕様を再現したかった」と語るのは、ブランド戦略部の中野。「試作品と当時の資料を照らし合わせて、一つの差異も見逃してはいけないという思いでした」

 

今回の製作では、当時優勝車両の担当メカニックが、本モデルの監修に参加しました。

「最初は1/43スケールにすべての要素を落とし込むには、限界があるという気持ちもありましたが、
中野さんの熱意に押され、最後はサイズ度外視で、気づいた点は全てフィードバックしました。」
と、マツダE&T製造技術部の野村。

 
左:ブランド戦略部 中野 雄介(なかの ゆうすけ)、右(写真左奥):マツダE&T  製造技術部 野村 裕之(のむら ひろゆき)

 

フィードバックは50か所以上に及び、ル・マン決勝終了時の状態※を、1/43スケールでタイヤのマーキング、ホイールフィンやワイパー形状、ステッカーのサイズや位置までこだわって、可能な限り再現しました。
※汚れやダメージを受けて損傷している部分等を除く

          

 

最後に、企画監修に携わったメンバーたちの想いをお伝えします!

 

今回のモデルカー製作プロジェクトでは、マツダ自身が100年目の節目に企画するということで
メンバー全員、並々ならぬ情熱と決意をもって取り組みました。例えば、通常3回サイクルの試作品チェックがコスモAPでは6回にも及びましたが、モデルカー製作メーカーさんにも粘り強くご対応いただき、高い品質を実現できました。

 

私たちは、「今も変わらず愛し続けてくださっているファンの皆さま、これらのクルマを開発し世に送り出してきた先人たちへの感謝の気持ちを表したい」そんな想いで、モデルカーの監修にあたらせていただきました。
 

 

「モデルカーは、昔憧れていたクルマ、子供のころ乗っていたクルマ、憧れや懐かしさなど、思い出を形にするもの。皆さまの思い出の一台が見つけていただければ嬉しいです。」(中野)

「忠実に再現したことで、あたかも実車を手元に置いているかのような満足感を感じていただければと思います。」(新部)

「世界最高のモデルカーをぜひ手に取ってみてください。」(野村)

「ヨーロッパ調のルーチェSS、アメリカ調のコスモAPなど、今のマツダ車とは異なり、当時は車種によって、特有のデザインテイストがあります。それをモデルカーで味わって下さい。」(酒井)

「ご購入されたら、まずケースのふたを開けて、角度を変えながら、隅々までみていただきたいです。」(横井)

 

他にも、グリーンパネル GA型三輪トラックから、CX-30 まで、幅広いラインナップを揃え、今後も拡充する予定です。来月には、BONGO VANが新しく登場します。ぜひ、お気に入りの一台を見つけてくださいね。

 

ご購入は、全国のマツダ販売店や、以下オンラインショップにてお受けいたします。
MAZDA COLLECTION ONLINE SHOP (オンラインショップ)
※先行販売したオンラインショップでは、大変ご好評をいただき、一部商品については在庫なし (再入荷未定)となっております。全国のマツダの販売店を通じてご注文いただけますので、最寄りの販売店に、お電話等でご確認ください。また、お取り寄せに、若干のお時間がかかります事を、予めご了承ください。

 

■マツダオフィシャルグッズの紹介(マツダ公式ブログ)

ものづくりへの想いを詰め込んだマツダオフィシャルグッズ「MAZDA ESSENTIAL COLLECTION」
https://blog.mazda.com/archive/20201218_01.html

【創立100周年記念】マツダオフィシャルグッズ「MAZDA COLLECTION」登場!
https://blog.mazda.com/archive/20200616_01.html

カテゴリー:クルマ
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