【車両開発責任者が語る】「クルマとスポーツ」の意外な共通点とは?
今回は、マツダの車両開発責任者のインタビューを通じて、マツダの目指す理想のクルマづくりについてお伝えします。
クルマの他に、スポーツや料理の話を交えて、車両開発本部長の松本が語ります。ぜひご一読下さい。
目次
「理想」は、自由自在に操れるクルマ
「マツダが理想とするクルマとは?」
という質問に答える時、私はよく 「人馬一体」 という言葉を使って、 「自分の手足のように自由自在に操れるクルマ」 と答えます。
私たちは普段道を歩く時、なにげなく障害物を避けたり、自分が行きたい方向へ無意識のうちに軸を移動させています。
私たちマツダは新世代商品群の開発にあたり、この部分に注目しました。まるで自分の手足のように動かせるクルマが実現できれば、それは最高に楽しく、安全なものになるのではと。
一番重要なのは、「ドライビングポジション」
まず私たちがスタートしたのは、クルマを動かす人間自身の研究でした。
「人は運転している時、どんな反応を示しているのか」
例えば、野球選手はバッターボックスに立った時、バットを強く握っていないそうです。余計な力が入っていない状態だから、速くて切れのある球を打つことができる。
人間を研究するとスポーツの極意に通ずることが多い んですね。私たちは、クルマの世界にも展開したいと研究を進めてきました。
たどり着いたのは、運転姿勢、つまり「ドライビングポジション」でした。
人間は関節に力が入っていない リラックスした状態で、最も素早く正確な判断・反応を下せる ことがわかったのです。
つまり、宇宙飛行士が無重力空間で浮いている時のような、余分な力が入っていない自然な姿勢です。
通常、クルマの開発は、エンジン、タイヤ位置が先に決まるため、ドライビングポジションは後手に回ってしまいがちです。ですが、マツダでは、この分野を第一優先で取り組み、理想的なポジションを確保しました。
最高なクルマに仕上げるための司令塔
人間中心のクルマづくりを目指す中で、マツダのエンジニアたちに、ある思いが生まれていました。
「エンジンやサスペンションなど、各機能を最高なものにするだけでは、お客様にクルマの真の価値をお伝えできない」
「各機能を上手く連携させて、はじめてお客さまにとって最高なクルマをご提供できる のではないか」
彼らの熱意が「スカイアクティブ ビークル ダイナミクス」*という技術誕生につながりました。
*マツダの新世代車両運動制御技術「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS
料理に例えると、
野菜や肉魚などの素材が、「クルマの各機能」
シェフが、まさに「スカイアクティブ ビークル ダイナミクス」 にあたるところ。
どのように美味しく料理するかは、シェフの腕にかかっていますよね。
最終的に、
お客さまに「美味しい!」=「気持ちのよい走り」と言っていただけることが私たちのゴール
なのです。
第一弾となった「G-ベクタリング コントロール」
部門間の垣根を越えマツダが一丸となったことで、誕生したのが、
スカイアクティブ ビークル ダイナミクスの第一弾、「G-ベクタリング コントロール(GVC)」です。
簡単に説明すると、走行中にハンドル操作に合わせてタイヤにかかる荷重を自動的にコントロールし、身体の揺れを抑えることで、ドライバーとクルマとの一体感を高める運転制御技術です。
実際にGVCを体感された皆さまからは、同乗者の方を含めて、「運転が上手くなったみたい」「長時間乗っても疲れなくなった」といった声をいただいています。
快適なカーライフを過ごしていただきたい
運転技術の差や、天候などに左右されることなく、リラックスした気分で、快適なドライブを楽しむことができる。そして、皆さまのカーライフがより楽しいものになる。
皆さまにとって、マツダ車がそんな一台になることを願っています。
松本のインタビュー記事、いかがでしたでしょうか?
マツダのエンジニアたちの熱き想いが少しでも伝われば嬉しいです。
▲マツダのクルマづくり(オフィシャルサイト)*松本の別インタビュー記事も掲載中です!
http://www.mazda.co.jp/beadriver/dynamics/?link_id=grnv
▲GVC関連記事(公式ブログ)
「クルマ」と「和食」の意外な共通点。「雑味」を抑えて運転を楽しくする!
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