「i-ACTIV AWD」試乗 CX-30・CX-5・CX-8でオフロードを走ってみました!
<記事の概要>
はじめに
「常識を変える」マツダの四輪駆動の歴史と「i-ACTIV AWD」
走破性を高める「オフロード・トラクション・アシスト」
実際に試乗してみました!!
おわりに
はじめに
「マツダのクロスオーバーSUV」と言うと、オンロードで都会的なイメージを想起される方が多いかも知れません。
一方でSUVということで、アウトドアを含めた幅広い活用を見据えて、オフロードでの性能を含めてご検討・ご購入いただく方も多いと思います。
「クルマと共に、もっと自由に、どこまでも走り抜けたい。」
マツダは、そんなドライバーの想いを実現するため、オフロードを含むさまざまな道で安心して楽しく走ることができる、SUVのAWDシステムを開発しました。
今回のブログではマツダの「i-ACTIV AWD」と、そして直近のCX-5の商品改良でCX-30とCX-8に続いて搭載された「オフロード・トラクション・アシスト」について、ご紹介します。
実際にオフロードコースでの試乗も行ってきましたので、その様子も合わせてご覧ください。
「常識を変える」マツダの四輪駆動の歴史と「i-ACTIV AWD」
1970年代から4WDシステムを開発してきたマツダ。
マツダ初の4WD車は、1984年の3代目「ボンゴ」で、フリーホイールハブを備えたパートタイム4WDでした。 | 3代目ボンゴ |
以降、「プロシード」シリーズではオフロード走破性も含めた本格的な4WD性能に取り組み、初代「MPV」では走行中に2WDから4WDに切り替え可能な「スーパーデュアル4WD」を開発。 | プロシード マービー |
当時のパートタイム4WDの開発を通して得られた知見やノウハウも、現代のAWD開発において重要な基盤となっています。
フルタイム4WDは、1985年から。
マツダは国産車初のフルタイム4WD乗用車「ファミリア4WD(MAZDA323 4WD)」を発売しました。
伝統的なセンターデフ式4WDでしたが、低速用のデフロック機構を持ち、高い走破性を実現。
軽量コンパクトなハンドリング4WDとして、ラリーでも活躍しました。 | MAZDA323 4WD |
その後1990年代には、電磁ロック機構付ロータリーブレードカップリング式4WDを開発しトリビュートなどに搭載。
4WDモデルの課題であった燃費との両立にも挑戦しています。 |
トリビュート |
そして2000年代には、曲がりやすさと走破性を両立可能な理想的なシステムとして、電子制御多板クラッチ式のAWDを開発。
初代「アテンザ」から導入し、そのハイパフォーマンスセダン「マツダスピード アテンザ」(2005年)におけるスポーツ4WDの開発も通じて、この電子制御多板クラッチ式AWDのノウハウを蓄積しました。
これに続く「CX-7」や3代目「MPV」ではオンロード性能を基本としながら雪上性能を作り込み、2代目「デミオ」では後輪に搭載された電動モーターによる「e-4WD」も開発。
これらの技術的蓄積をもとに、2012年の初代「CX-5」より「i-ACTIV AWD」を導入し、現在まで進化を続けています。
「i-ACTIV AWD」は、電子制御式多板クラッチユニットに独自の高度な制御アルゴリズムを組み合わせた、マツダユニークなAWDシステムです。
タイヤの回転速度やGセンサーなどの情報をもとに、前後の駆動トルク配分を常に最適化。
駆動力を積極的にコントロールすることで走破性能と燃費性能を高次元で両立し、燃費が悪いと思われてきたAWDの「常識を変える」システムを実現しました。
さらに最新のMazda3とCX-30では、進化した「i-ACTIV AWD」を装備。
ドライバーの操舵に合わせてエンジントルクを制御し、荷重状態を最適化してクルマを曲がりやすくするG-ベクタリング コントロール プラス(GVC PLUS)とAWDの完全な協調システムを構築し、曲がりやすさと安定性をさらに高次元で両立しています。
走破性を高める「オフロード・トラクション・アシスト」
起伏の激しい路面形状によって片輪が浮くような、険しい悪路へ入り込んでしまったとき。
あわや動けなくなってしまうような状況に、「オフロード・トラクション・アシスト」を作動させれば、素早い脱出をアシストしてくれます。
「オフロード・トラクション・アシスト」は、「i-ACTIV AWD」が従来から持つ路面状況や勾配に応じて前後駆動トルク配分を最適化する機能に加え、発進時のトルクを最大化しながらトラクションコントロール(TCS)* やヒルローンチアシストと協調してスリップを最小限に抑制。
空転輪に対するTCSのブレーキ介入を強めることによって駆動力の抜けを抑えて、路面に接地しているタイヤへしっかり駆動力を伝達します。
* 発進や旋回加速時に起こる駆動輪の空転を防ぎ、適切な駆動力と操縦性を確保する装置
実際に試乗してみました!!
それでは、実際の試乗の様子をご紹介します。
場所は富士山が美しく見える、山梨県にあるオフロードコース。
まずはCX-5で、上り坂にチャレンジです。 |
外から見ると、土煙をあげなから力強く走って行く姿も素敵ですね。
CX-8では、起伏の激しい「モーグル」にチャレンジ。
対角の2輪が浮いて、スタックしてしまうような状況においても、「オフロード・トラクション・アシスト」を作動させればしっかりと前に進みます。
外から見ると、CX-8の大きさも相まって、車輪が浮き上がりながらも進んでいく姿は、かなり迫力のあるシーンです。 |
このような悪路においても、CX-8は最低地上高が200mm、そしてCX-5はクラストップレベルの210mmもありますので、ボディが路面に干渉することなく走破することが可能です。
すり鉢状のコースでも、大きなCX-8が難なく降りていき、難なく登るシーンも見どころでした。
運転していても、何もなさ過ぎて拍子抜けするくらい、普通に走ります。
最後に最新の、進化した「i-ACTIV AWD」を搭載するCX-30です。
悪路でもハンドルを取られるような感覚もわずか、予想以上に思うとおりに走り、曲がることに驚きます。 | |
ハイライトは、途中に埋まった石で滑りやすい上り坂。 |
途中、石の上に乗ったことを感じますが、速度が落ちないようにアクセルを踏み込めば、問題なく登り切ることができました。
また、CX-30では、周辺のワインディングも体験しましたが、どこも至って快適。
特に、帰り道にオフロードコースとの中間にある、ほどほどに踏み固められた未舗装路に入った時の、オンロードとの変化の少なさが印象的でした。
おわりに
以上、マツダの「i-ACTIV AWD」と「オフロード・トラクション・アシスト」について、いかがでしたでしょうか。
今回の試乗のようなオフロード体験は滅多に無いかもしれませんが、今回の記事が皆さまの行動範囲と走る歓びを広げる、ご参考となればと思います。
そしてマツダのクルマと、「i-ACTIV AWD」や「オフロード・トラクション・アシスト」が、人生を楽しむお客さまを強力にサポートする存在となれば幸いです。
■合わせてこちらもご覧ください
▼マツダオフィシャルサイト
MAZDA CX-30 | G-ベクタリング コントロール/i-ACTIV AWD
https://www.mazda.co.jp/cars/cx-30/driving/gvc_4wd/
MAZDA CX-5 | i-ACTIV AWD
https://www.mazda.co.jp/cars/cx-5/driving/4wd/
MAZDA CX-8 | i-ACTIV AWD
https://www.mazda.co.jp/cars/cx-8/driving/4wd/
▼動画(YouTube)
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