【CX-5 開発の舞台裏①】目指したのは、すべての乗員が走る歓びに満たされるクルマづくり
乗るすべての人にマツダならではの「走る歓び」を届け、お客様とクルマの関係をより深めていきたい。
その志を胸に抱き、マツダの開発陣は新型CX-5の開発に挑みました。
しかし、ご好評をいただいてきた初代CX-5の魅力をさらに高めることは、決して容易なことではありませんでした。
彼らはその舞台裏で何を想い、どのような試行を重ねてきたのか?
全7回の連載で、その挑戦のプロセスをご紹介。
第1回の今回は、開発担当主査* の児玉眞也(こだま まさや)が、開発の全体像について語ります。
*2017年6月時点
「No Mazda, No Life」と言っていただけるような、唯一無二のブランドになりたい
先のCX-5は2012年2月のデビュー以来、「2012-2013 日本カー・オブ・ザ・イヤー」をはじめ、世界中で約90の賞を受賞(2017年5月時点)するなど、高い評価を獲得してきた。
そして、2011年11月の生産開始から2015年4月末までのわずか約3年5ヵ月で、世界累計生産台数100万台を達成。
成長著しいSUV市場の真っただ中に投入したCX-5はいまや、グローバルにマツダのカーラインアップをけん引する主力モデルに成長した。
主査の児玉はこう述べる。
「なぜこのタイミングでモデルチェンジなのか。CX-5が世界中で高い評価をいただいていること、世界的なSUVのムーブメント、そしてマツダのカーラインアップにおける重要度の高まり。これらの背景に加えて、今マツダは常に最新のデザインと技術をお客様にお届けすることを念頭においてクルマづくりに取り組んでいます。」
「そこで私たちは、マツダにとって重要な基幹車種であるCX-5の価値を、いまマツダがもちえるデザインと技術によって磨き上げることで再び選んでいただき、お客様の人生をより豊かにしたいと考えたのです」
壁が立ちふさがったときに生まれるのは、部門間のせめぎ合いではなく、
その壁をみんなで乗り越えるための新しい創意工夫
CX-5の開発プロジェクトで目指したのは、走る歓びをさらに深化させたSUVをつくること。
CX-5と過ごす時間が笑顔で満たされるよう、ドライバーだけでなく、すべての乗員とクルマの関係を一層深めるクルマづくりをするということだ。
それを実現するための大前提として、開発に関わるすべての人には、その狙いを深く理解することが求められた。
CX-5で目指すSUVの理想像を、全員で共有するということだ。
事実、開発の中枢となったメンバーは、節目のたびに大勢の社員を集め、お客様像や、開発の考え方などについて、自分たちの言葉で説明してきた。
広島にある本社では、最大1回1500人という規模で何度も説明会が行われた。
さらにその取り組みは、日本のみならず海外にも及んだ。
主要市場にエンジニアたちが出向いて、開発の考え方や商品概要を前広に展開し、お客様へお届けする価値について共創を続けてきたのである。
これらの活動が、開発、生産、販売、海外拠点など関わる人々にとって、理想とその達成に向けた課題への理解を深める大きな機会となった。
そのため、工業製品の開発裏話によく出てくる『部門間のせめぎあい』といったエピソードは、このクルマにはない。
誰もが大きなひとつの理想に向かって動いているから、壁が立ちふさがったときに生まれるのは、ぶつかりあいでも譲りあいでもなく、その壁をみんなで乗り越えるための新しい創意工夫なのだ。
妥協を一切許さず、あるべき姿を追求する彼らのエネルギーは、一体どこから生まれているのだろうか?児玉は言う。
「車種が単体で成功してもダメなんです。私たちは一貫した考えのもとクルマづくりを続けることで、マツダという存在がお客様にとってかけがえのない存在になることを目指しています。つまり、車種で選ばれるのではなく、『マツダじゃないとダメなんだ!No Mazda, No Life』と言っていただけるような唯一無二のブランドになりたいのです」
CX-5は、その夢に向かって前進するための通過点に過ぎないのだ。
彼らの挑戦はこれからも続いていく。
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最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました!
次回は、CX-5のデザインについてご紹介します。どうぞお楽しみに。
▼CX-5について、詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.mazda.co.jp/cars/cx-5/?link_id=sbnv (マツダオフィシャルサイト)