【CX-5のデザインができるまで #4】インテリアデザイナー齋藤さん
この記事は、過去Facebookに掲載した記事です。
「CX-5のデザインができるまで」
第4回目はインテリアデザインチーム リーダー齋藤さんに、「プロセス3:スケッチを描く」について話を聞きました。
総力戦で“調和”に挑んだCX-5インテリアデザイン
CX- 5のインテリアデザインにつきまして、これに関わっていない人間はいないほどみんな何かしら“一筆入れた”というぐらい総力戦となりました。インテリアに は様々なパーツがあり、多くのパーツを組み合わせて作り上げていきます。各パーツの担当者はパーツに対して「こうしたい」という想いを持っています。これ をどう“調和”させていくのかが、非常に重要で、CX-5のインテリアデザインでもそこは変わりませんでした。その“調和”の中で、SUVらしさ、力強さ を狙いました。
インテリアも1枚のスケッチからはじまる
イ ンテリアデザインもイメージスケッチを描くことからスタートします。商品コンセプトに対して、どのようなイマジネーションを受けたのかを関連付けしながら アイデアを展開していきます。そして、運転席に座った時にどういう景色が見えるのか、圧迫感は感じないか、メーターはどのようにみえるか等々、クルマを運 転する一連のプロセスを想像しながら、ここにボタン類があってほしいよね、とか、操作するにはちょうど手が届くのはこのあたりだよねなどを考えながら具体 的なアイデアに落とし込んでいきます。常に空間のイメージをつかみながら、企画・設計の部署のメンバーと共に形造る作業を行います。
インテリアとエクステリアは常にせめぎ合い
イ ンテリアデザインはエクステリアと並行して動き出すのですが、つねにバランスを求められます。インテリアとしてはユーザーに圧迫を与えないように、快適に 使ってもらえるようにできる限り広くしたい。一方でエクステリアとしては引き締まったボディーにしたい。だからインテリアは心地よくタイトなんだけど広々 と感じてもらい、エクステリアはより引き締まってみせることを目指す。そこがアイデアの出しどころであり、バランスなんです。
「魂動」デザインをインテリアでも表現
今回CX-5のデザインでは、インテリアの中で「魂動」デザインをいかに表現するかを考えました。その結果、ドライバーが安心感のある「包まれ た感じ」で、助手席は「解放された感じ」を目指しました。また、「魂動」の要素はあらゆるところに散りばめられていて、ドアを開けた時、キーをひねった 時、エンジンに火が入ったときなどの様々な動作で、またサテンメッキの面積や位置、革の面積とのバランス、光と影の入り具合といった多くの動作や要素が絡 みあうことで「魂動」を感じて頂けると思います。
ディテールへのこだわりは、実際に見て感じて欲しい。
イ ンテリアデザインはあらゆる部分にこだわっていますが、メーターの造り込みとサテンメッキの部分には取り分け力が入っています。メーターの針は、機械式時 計の針のようにシャープな感じにし、メーターの目盛りは立体的でメカニカルに見えるようにしました。そういうディテールは、スケッチの段階でアイデアを構 築します。サテンメッキは、職人の手で丹念に磨きこんだ感じを表現し、位置も高さも映る景色も違うのですが、なるべく同じに見えるようデザインしたのが、 とても苦労したところでもありますね。それ以外にも、ディテールにはたくさんのこだわりがあります。乗って発見してもらえると嬉しいです。
インテリアには“優しさ”を入れる、でもそれだけじゃない。
デ ザインするときに意識しているのは、優しさを感じてもらうこと。乗った時に優しく感じるというのは、調和がとれていて心地いいということだと思っていま す。ただ、だからといって安楽に運転できることとは違うと思っています。それではマツダ車らしくはないんです。「楽しさ」「嬉しさ」があってのマツダ車。 マツダのクルマを運転する「ワクワク感」は、忘れて欲しくないないので、運転する「楽しさ」もインテリアにデザインしています。そこは運転して感じてもら えると嬉しいですね。
次回は、デジタルモデラー三岳さんです。
お楽しみに!