MAZDA BLOG
2016.3.7

「ロードスターらしいエンジンサウンド」のこだわりとは?~五感を使って感じる、走る歓び~

コンパクトなボディと、小気味よく加速するエンジンで、風の中を駆ける新型ロードスター。
目の前に広がる360°の景色、流れる風、そして爽快なエンジン音を堪能できるのが、このクルマの醍醐味でもありますね^^

今回は、五感をフルに使って楽しめるロードスターのエンジンサウンドのこだわりをご紹介します。

20160307_01a

ロードスターの排気系開発に携わる星野 司(ほしの つかさ)さんは、ロードスターエンジンサウンドに情熱を注ぐ一人。

エンジン技術開発のテーマリーダーとして新型ロードスターの開発を任されることとなったのが4年前。白羽の矢が立った時の気持ちをこう語ります。

「最初は素直に『大変だ・・・』と思いました。ロードスターは初代からの根強いファンが多い車種。歴代のロードスターを愛してくれたファンの方々を裏切らない音を作ることに、プレッシャーを感じました。」

20160307_01b20160307_01c
(写真左:新型ロードスター パワートレイン開発担当 星野さん)

 

2シーターならではの楽しみ方

アクセラやデミオなどの車種は後席でも騒音を気にすることなく、快適なドライブを演出するため、排気音はできるだけ小さくなるように設計しています。しかしロードスターとなると話は別。後ろの席がない分、排気音を大きく出せます。

アクセルを踏んで、それに反応し響く排気音を聞くと、まるでクルマと一体になっている様に感じ、気持ちいいですよね。
オープンエアで駆け抜けるロードスターならではの楽しみ方です^^

20160307_01d


4
代目ロードスターらしい音の探求

最初は、良い音を作ろうと、試行錯誤していたエンジン技術開発。

どんな音が良いのだろう…悩み続けたある日、星野さんはあることに気づきました。

「良い音を目指すだけだと世界中のクルマが同じ音になってしまう。ただ単に良い音ではなく、楽器に合った音色を出してあげることが大切。つまり、ロードスターにはロードスターらしい音が必要。これこそがファンの皆さんが望んでいるものなんだ。」

ロードスターとしては今回初めて搭載されたのが、1.5LのSKYACTIV-G。

SKYACTIV-Gはロスを徹底的になくし、少ない燃料で大きな力を発生させることを狙った、燃費の良いエンジンですが、実は排出ガスの通り道にも工夫があります。

20160307_01e

今までの4気筒エンジンでは、4つの燃焼室から出る排出ガスを、一気に1本の通り道に合流させるのが一般的でした。そのため排気干渉がおこり「ごろごろごろ・・・」という音がします。

しかし、このSKYACTIV-Gでは、高温の排出ガスをスムーズに燃焼室から出すために「4-2-1」と段階的に合流をさせる方法を採用し、詰りがちな排出ガスがスムーズに流れるように工夫がされているため、排気干渉が少なく「フォーン・・・」とリズミカルでにごりのない排気音が特長です。

「コンパクトな外観に違和感のない周波数。そしてSKYACTIV-Gらしさが感じられる音。
今回のロードスターにはこれしかないと思った!」

20160307_01f


高性能と楽しめる音の両立

クルマの排気系には「サイレンサー」が設置され、音の大きさを制御しています。

一般的に、排気音を抑える場合は、より大きなサイレンサーを取り付けます。しかし、コンパクトボディが特長のロードスターでは、重量のある大型サイレンサーを取り付けることはできません。

20160307_01g

小型のサイレンサーで音を制御するには、サイレンサー内部のパイプを細くするしかありません。しかし、パイプを細くすると排気損失が増えて、エンジンの出力性能が落ちてしまいます。

小さなサイレンサーで大きすぎない音を出す。それが最も苦労した部分の一つだと星野さんは当時を振り返ります。試行錯誤を積み重ねて、4代目ロードスターに最適のサイレンサーを生み出しました。

20160307_01h
(イラスト:メインサイレンサー内部)

このように多くの課題がある中で、全員がモチベーションを保ち続けることができた。理由の一つは、「メンバーに恵まれたこと」だと星野さんは答えます。
自然と提案しあい、様々な事にトライしながら解決に向かっていく。まるでパズルを楽しむように、全員で課題に向かっていきました。

20160307_01i20160307_01j
(左画像:理想の機能分配を行い、各機能系のブレークスルーポイントをまとめる)
(右画像:試作品を前に、更に軽量化できるところは無いか、発掘会の様子)


Zoom-Zoom
を彩るエンジンサウンド

いいエンジン音と聞いて、みなさんはどんな音を想像しますか。

「心地よい音を目指しました。自然と気持ちよくさせてくれる音です。」

主張しすぎず自然ときこえてくる音、ドライブを更に楽しいものへとしてくれるBGMのような音を目指したと星野さんは語ります。

「エンジン音だけにずっと注目していただくより、ロードスターとのドライブを重ねる中で、ある日『ああ、いいエンジン音だな・・・』と気づいていただける音になっていればいいなと思います。」

20160307_01k


感じてほしい
3つの “感”

それではここで、新型ロードスターのエンジン音を聞いてみましょう。
目を閉じて、ロードスターの奏でる世界をお楽しみください。

【ロードスターのエンジン音】

 

駐車場に止めてあるロードスターに乗りこみ、アクセルを踏んでスタートした瞬間の「軽快感」
国道に入り、徐々に加速。クルマと心が躍動する「鼓動感」
そして、高速道路でスピードにのり、どこまでも遠くへ行きたくなるような「伸び感」

この3つの“感”が耳を伝って心に自然と流れ込んできませんか^^?

目に見えない部分も徹底的にこだわり、情熱を注ぐエンジニアがいるからこそ、ロードスターらしさを実現することができます。
今日からは、運転するとき、街で見かけたとき、ぜひエンジン音にもご注目くださいね!

20160307_01l

また、ロードスター特設サイトでは、新型ロードスターの開発に携わるエンジニアたちの想いをご紹介しています。ぜひご覧ください。

▼新型ロードスター特設サイト
URL:http://www.mazda.co.jp/cars/roadster/ (マツダオフィシャルサイト)

 

カテゴリー:クルマ
この記事をご覧いただいた方へおすすめ記事